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06月22日-04号

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  1. 新宮市議会 2016-06-22
    06月22日-04号


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    平成28年  6月 定例会          平成28年6月新宮市議会定例会会議録             第4日(平成28年6月22日)---------------------------------------議員定数17名、現在員17名、出席議員17名、氏名は次のとおり。                             1番  北村奈七海君                             2番  並河哲次君                             3番  杉原弘規君                             4番  大石元則君                             5番  松畑 玄君                             6番  前田賢一君                             7番  福田 讓君                             8番  辻本 宏君                             9番  榎本鉄也君                            10番  久保智敬君                            11番  濱田雅美君                            12番  上田勝之君                            13番  東原伸也君                            14番  田花 操君                            15番  松本光生君                            16番  屋敷満雄君                            17番  大西 強君---------------------------------------欠席議員 なし。---------------------------------------議事日程 平成28年6月22日 午前10時開議 日程1 一般質問      別冊 一般質問通告表 番号(4)から---------------------------------------会議に付した事件 日程1 一般質問      別冊 一般質問通告表 番号(4)から(6)まで---------------------------------------地方自治法第121条の規定による出席者               市長               田岡実千年君               副市長              亀井寿一郎君               企画政策部               部長               向井雅男君               次長兼商工観光課長        中前 偉君               企画調整課長           新谷嘉敏君               企業立地推進課長         山本茂博君               総務部               部長               上路拓司君               次長兼財政課長          小谷 充君               参事(防災及び危機管理担当)   西 利行君               秘書課長             西山和視君               総務課長             尾崎正幸君               税務課長             平見仁郎君               防災対策課長           田中幸人君               市民生活部               部長               岡 雅弘君               生活環境課長           岩崎誠剛君               三輪崎支所長           羽山宏夫君               健康福祉部               部長兼福祉事務所長        森本邦弘君               福祉課長             有本文彦君               子育て推進課長          南 拓也君               健康長寿課長           河邉弘ミ子君               建設農林部               部長               垣本裕也君               都市建設課長           田坂 豊君               農林水産課長農業委員会事務局長 名古一志君               熊野川行政局               局長               伊藤順司君               住民生活課長           丸石輝三君               会計管理者兼会計課長       澤 隆弘君               医療センター               事務長              豊田正志君               水道事業所               所長               坪井辰実君               業務課長             奥  靖君               工務課長             宇井俊治君               消防本部               消防長              海野裕二君               次長兼庶務課長          日浦規行君               教育委員会               教育長              楠本秀一君               教育部               部長               片山道弘君               教育総務課長           北畑直子君               学校教育課長           宮本雅史君               文化振興課長           畑尻賢三君---------------------------------------本会議の事務局職員               局長               畑尻英雄               次長兼庶務係長          岸谷輝実               庶務係主事            中尾 愛               議事調査係長           岡崎友哉               議事調査係主事          大居佑介             第4日(平成28年6月22日)--------------------------------------- △開議 午前10時00分 △開議の宣告 ○議長(榎本鉄也君)  おはようございます。 ただいまの出席議員は17名であります。 定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、別紙にて配付いたしたとおりであります。御了承願います。--------------------------------------- △日程1 一般質問 ○議長(榎本鉄也君)  日程に入ります。 日程1、一般質問を行います。 別冊、一般質問通告表の番号4から順次発言を許可いたします。--------------------------------------- △大石元則君 ○議長(榎本鉄也君)  4番、大石議員。 ◆4番(大石元則君) (登壇) 皆さん、おはようございます。 一般質問を始めるに当たり、前もって市長にお断りしておきたいと思います。通告では3項目めに、市長の市政に対する基本姿勢を問うことになっておりますが、1項目め、2項目めにおいても必要に応じ、お尋ねするやもしれません。そのかわりといっては何ですが、3項目めは基本中の基本を質問する予定であります。また、最後にきょうは何の日についても用意しているので、それまでに考えておいていただきたいと思います。 それでは早速、災害に備えるについて一般質問を始めます。 あと、担当課の皆さんに申し添えておきたいと思ったんですが、私、この日に向けて、一生懸命知識を一度に詰め込んでまいりました。正直、頭の中は飽和状態であります。私の質問が飛んだりはねたりするような気がしております。そのつもりでよろしくお願いいたします。 ちょうど1年前、同じ一般質問の席で、5年前の紀伊半島豪雨水害で亡くなられた方々のために黙祷を1人でさせていただきましたことが思い出されます。期せずして、この4月に熊本地震が起こりました。そこで、お亡くなりになられた方々のために、議会の開会に当たり、皆様とともに黙祷をすることになりました。災害はやむことはなく続いて起こるようになりました。私には次なる災害が迫ってきているように思えてなりません。 そこで市長、昨年、市長はこの席で紀伊半島大水害犠牲者追悼式をしばらく続けられるとお答えになりました。ことしは災害から5年目の節目に当たります。何か予定されているのであればお答えいただきたいと思います。 ◎市長(田岡実千年君)  ことしも14名の皆様の御命日であります9月4日に、田長の道の駅の慰霊碑の前で追悼献花式を行いたいと思ってございます。 ◆4番(大石元則君)  ありがとうございます。 関係機関や御遺族の方にも参列していただけるということですが、被災されて市外や県外へ移住された方々もおられます。確認したところ、1年前のデータで恐縮ですが、県外に世帯数で10件、市外で9件とあります。5年目にも当たります。できれば被災された方々の中からも出席いただければと考えますが、市長、御検討いただけるでしょうか。 ◎市長(田岡実千年君)  今考えているのは、昨年と同様、当局、そして議員の皆様、そして遺族の皆様を中心に献花式を行いたいというふうに考えてございます。 ◆4番(大石元則君)  私の申し上げたい根拠がまだちょっと明確に伝わらないところもありますので、また機会を改めて進言したいと思います。 あしたにかけて、西日本から大雨の予想になっております。雨の降り方に注意を払わなければならない時期がやってまいりました。ただ我々には5年前のとうとい教訓があります。反面、大きな地震災害は正直、私も体験しておりません。今のところ、大きな災害が起こることは確実視されているにもかかわらず、実体験が限られているため、現実に即した対応がなされているか疑問であります。まずは大きな地震が起こるまでに、実効性のある準備が今求められているように思います。市長は常々、一人の犠牲者も出さないための対策をと呼びかけられております。 そこで、命の水は確保されているのかという視点から考えてみたいと思います。小学生の男の子が1週間水だけで生き延びたというニュースがありました。いざとなれば、食うものがなくても飲料水だけあれば生きられるということではないでしょうか。そこで、5年ほど前の災害では、浄水場まで熊野川の水がやってきませんでした。次の試練は大規模地震であります。想定される地震が起こっても、取水・導水施設は大丈夫なのでしょうか、お答えいただきたいと思います。 ◎水道事業所工務課長(宇井俊治君)  水道事業所としまして、今のところ配水池の老朽化による更新とか送水施設の耐震化、また老朽管の更新を優先的に行っておりまして、まず浄水場におきましても老朽化が進んでおる中、全ての更新となりますと膨大な費用がかかります。それで、今のところ取水口から浄水場までの間につきましては複線化といいまして、導水管の複線化ということを進めております。そして、あと浄水場になるわけなんですけども、それから浄水場に入ってからになるわけなんですけども、昨年度作成しました水道ビジョンにも記載しておるんですけども、来年度に耐震化計画というのを立てるわけなんですけども、その耐震診断に基づいて長寿命化も含めての検討課題であるということで行っております。 ◆4番(大石元則君)  課題に取り組まれている様子がよくわかりましたので、その事案ごとにちょっと確認してみたいと思います。 その複線化なのですが、進捗状況はどうなのでしょうか。 ◎水道事業所工務課長(宇井俊治君)  平成26年度からやってございまして、去年も同じような質問をされたかと思うんですけども、去年は平成28年度までの3カ年で行うという予定だったんですけども、昨年度、2カ年目の最終時点でヒューム管が道路の中から出てきまして、そこら辺をかわす関係で少しおくれて、平成29年度ぐらいまでかかろうかと思います。 ◆4番(大石元則君)  少しずれたということですね、予定よりか。 それでは、浄水施設なんですけども、南海地震に耐えてきた経緯もございますが、新しい施設でも既に30年以上経過している状況の中で、耐震性はどうなのか。また耐震診断も、もし受けていなければ、その必要についてお尋ねしたいと思います。 ◎水道事業所工務課長(宇井俊治君)  先ほどのときにちょっと説明させていただいたんですけども、耐震化というのは重要なことでございます。ですが、先ほど言いましたように、いろんな配水管とか老朽管、あとは水がめとなります大事な配水池について、今のところ強化しておりまして、来年度作成します耐震化計画に基づきまして診断を行いつつ、今後検討していきたいと。 ◆4番(大石元則君)  既に予定はされているけども、これからというところですね。 ◎水道事業所工務課長(宇井俊治君)  診断はこれからになります。
    ◆4番(大石元則君)  また、その結果を踏まえて報告いただきたいと思います。 それでは、仮に浄水施設がもし万が一、被害が出た場合、応急措置が考えられます。この応急措置によって、仮定の話で恐縮なんですけど、熊野川の水で飲料水をつくるというようなことはある意味可能なのか、ちょっとお尋ねいたします。 ◎水道事業所工務課長(宇井俊治君)  まず、応急的なものというのはございません。ところが、現在、浄水場内には2種類の浄水施設がございまして、一つ目は主としまして、取水口から着水井に入った後に薬品沈殿池を通りまして、自然平衡形の急速ろ過池で浄水を行っております。もう一つが、着水井から直接、高速凝集沈殿池に入りまして、別の重力式による急速ろ過池にて浄水を行っているものがありまして、この2種類で水づくりを行っているところでございます。 ◆4番(大石元則君)  二つの系統でもって浄化される手だてがあるということで、今教えていただいたんですけども、二つの系統の中で、二つともリスクというか、地震が起こった場合、どちらが弱いとか、どちらがちょっと強いとか、そういうような話はあるのでしょうか。 ◎水道事業所工務課長(宇井俊治君)  それも、先ほどの耐震診断を踏まえての結果となります。今のところはどちらということは言いがたいところがあります。 ◆4番(大石元則君)  これから精査されるということですね。確認されるということで、わかりました。 現実的な方向で進めていっていただきたいと思います。 ここまで浄水場にこだわるのは、想定されている大規模地震が起これば、交通網の遮断、また広域にわたる甚大なる被害によって、ほかの地域からの救援が期待できない事態が想定できるからであります。基本的に浄水施設が機能すれば、あとは給水活動によって市民の命は守られる可能性がございます。当局の見解をお聞きいたします。 ◎水道事業所業務課長(奥靖君)  議員おっしゃられますとおり、水というのは非常に大切なもので、生活あるいは命を守る上では欠かすことのできないものと思っております。 近い将来に発生が予測されております大地震、これが発生した場合は当然のことながら、断水は免れないというふうに思っております。市としましても、飲料水を速やかに供給できるかになってまいりますので、今のところ考えているのが給水車による拠点給水、これは中核避難所を含む市内15カ所を定めてますけども、そちらを基本としまして、破損した水道管の早期復旧、また水道災害相互応援協定等に基づきまして応援要請を行い、対処していこうと思っております。ただし、先ほど議員がおっしゃられたように、今回の予想されてる地震というのは、沿岸部を中心に多大な被害が出ると思っております。その中で陸路も寸断されることは当然予想されます。したがいまして、国の支援として自衛隊による空輸や海上からの飲料水の供給なども協力願わないといけない事態になると思われます。 うちのほうで考えてます飲料水の供給なんですけども、災害発生直後、これはまず医療機関のほうを優先的に行うという中で、各家庭でも必ず飲料水は必要となってまいりますので、先ほど言った給水拠点を中心に給水活動を行おうと思っております。加えて、あくまでも給水だけでは十分な飲料水というのは供給がなかなか日にちがかかると思いますので、各家庭でも飲料水1日3リットルを目安に、最低3日間は備蓄していただきたいというふうに思っております。これは防災対策課のほうでも出前講座等で周知を図ってると思われますけども、今後広報誌等を通じて、市民に啓発していきたいと思っております。 ◆4番(大石元則君)  ありがとうございます。 まず、その給水車なんですけど、実際何台保有されているんでしょうか。 ◎水道事業所業務課長(奥靖君)  今のところ2台ありまして、4トン車が1台、3.5トン車が1台であります。 ◆4番(大石元則君)  詳しく、先ほど対応を伺いましたけども、このような対応はもう既にマニュアル化されているのでしょうか。 ◎水道事業所業務課長(奥靖君)  マニュアルといいますか、過去に一度作成してるんですけども、現在マニュアルの見直しということで作成中でございます。 ◆4番(大石元則君)  さらに見直されて確かなマニュアルをつくるということでしょうか。 ◎水道事業所業務課長(奥靖君)  そのとおりです。 ◆4番(大石元則君)  あと、そのための準備としてやっぱり訓練が必要になってくると思いますけど、その点については何か予定されてますか。 ◎水道事業所業務課長(奥靖君)  今のところ、11月に市の総合防災訓練があるんですけども、水道事業所としては独自にこのマニュアルをもとに、職員初め、関係機関と連携した災害が起こったときを想定した訓練を大体11月ぐらいに行う予定にしております。 ◆4番(大石元則君)  水道事業所独自の取り組みも行われるということですね。引き続き災害に備えるため、中身を精査して続けていきたいと思います。まだまだ掘り起こしていけば、課題が出てくる分野だとも思います。ぜひ水道事業所のほうでも命の水を確保するために、今後とも地震対策に取り組んでいただけることを要望いたします。 さて、水道事業所での取り組みの一端がわかったところで、次に、防災のことは防災に聞けということで、防災対策課に質問させていただきたいと思います。 先ほど出ました、一般家庭においては1人当たり3リットルの水を3日間備蓄するようにという話がありましたが、自分のデータでは2リットルという話もありましたんですが、2リットルでも3リットルでも同じなんでしょうか。 ◎防災対策課長(田中幸人君)  一般的には3リットルという場合が多いかと思いますが、中には2リットルでも十分ではないかという方も資料では見受けられます。 ◆4番(大石元則君)  少しでも多いにこしたことはないということだと思いますが、実際家庭での備蓄は進んでいるのでしょうか。 ◎防災対策課長(田中幸人君)  数年前ですか、協働推進課という課がありましたときに、市の庁舎の入り口のところで循環備蓄の展示というものを市内のスーパーからお借りしてしました。そのときにはある程度、家庭内では1週間から10日、以前は3日ということでしたが、やっぱり南海トラフの巨大地震ということになり、孤立がなかなか解消できないというところから、1週間から10日ぐらいの循環備蓄という形ではできないでしょうかというようなことで展示させていただきました。その中では、改めてそのために品物をそろえるんではなくて、建物が被災されていなければ家庭にある食料、お米とかそういうものも十分活用できるであろうと。それで、それにプラスアルファで缶詰とかそういう日もちのするものを加えていただいてすることによって、循環備蓄ができますよというような形では提案させてはいただいております。そのことについては、出前講座などでも防災の職員から非常持ち出し袋と循環備蓄についてはお願いしてますが、今後も機会を見つけて、いろいろとお願いしていきたいと思ってます。 ◆4番(大石元則君)  実際水に関しては、私の場合は、いざとなれば山水でもという状況があるんですけど、田中課長においては自身、どのように用意されておりますか。 ◎防災対策課長(田中幸人君)  自宅では一応500ミリリットルのペットボトルを常時3箱から5箱置いてまして、そして賞味期限の過ぎたものについては、生活用水に使えるだろうということで、賞味期限前には飲むようにはしてるんですが、飲み忘れたりしてますので、家の一角のところに4、5箱積み上げてるというような状況です。 ◆4番(大石元則君)  お答え、ありがとうございます。 市長の御家庭ではいかがされておられるんでしょうか。 ◎市長(田岡実千年君)  ちょっと大きいんですが、8リッター入りですかね、そういうのを置いております。 ◆4番(大石元則君)  ふだんからの準備が、いざ災害のときになれば助かる手だてになるように思います。 それでは、皆さんが避難される指定避難所の状況はどういう準備をされているのでしょうか。 ◎防災対策課長(田中幸人君)  指定避難所ではなく、中核避難所のほうに備蓄の物資は置いております。それ以外に、本庁や支所、熊野川行政局のところにも同じように備蓄物資は保管しております。 ◆4番(大石元則君)  中核避難所は全部で何カ所。 ◎防災対策課長(田中幸人君)  10カ所です。 ◆4番(大石元則君)  それよりも指定避難所のほうが多いと思いますが、指定避難所は現在何カ所になるでしょうか。 ◎防災対策課長(田中幸人君)  中核も入れまして52カ所です。 ◆4番(大石元則君)  ありがとうございます。今後検討の余地があると思いますので、中身を確認した上で検討を続けていければと思います。 さて、熊本地震を受けてでありますが、熊本地震では津波ではなく、地震でもって被害が大きく報道されております。先ほど来、新宮市は後先生をお招きして、防災講演会を開いております。その中で、新宮は津波より揺れであると、地震であるということを提唱されておりました。職員の皆さんも聴講されているやに思います。 こういう動きの中で、ふと気がついてみますと、これまで話題にも上ってきました市報でありますが、5月号、6月号の市報において、1ページ目から2カ月間、地震に備えるということで特集が組まれております。何かきっかけはあったのでしょうか。 ◎防災対策課長(田中幸人君)  熊本地震というのが一番大きな要因ですが、ただ4月に私、防災対策課に来たときから、市長からも住宅の耐震化というものについては十分力を入れてほしいという指示がありましたので、今回熊本地震を受けて、この問題をこういうふうに広報で連続で取り上げさせていただいてます。 ◆4番(大石元則君)  市報に掲載されている内容についてお尋ねしたいと思います。 ここには、住宅耐震改修のための費用を補助しますとあります。これまでにもあった事業だと思いますが、何年前から続けられている事業でしょうか。 ◎防災対策課長(田中幸人君)  まず、改修の前に耐震診断をお願いしてます。住宅の耐震診断については、これは平成16年から行われております。そして、耐震診断を受けていただいた方のうち、耐震性に問題があるという方については次の改修工事のほうを御案内するという形になってます。改修については平成18年から行ってます。 ◆4番(大石元則君)  まず診断があって、改修という取り組みをされてるということだと思いますが、現時点での様子を伺いたいと思います。6月1日から始まっておりますが、現在診断のほうの申し込みは何件ございますか。 ◎防災対策課長(田中幸人君)  ことしは現在のところ、16件の申し込みがあります。それ以外にも何度か相談させていただいて出したいという方が数件ございます。 そして、改修のほうについては、まず設計をしていただくことになってますので、設計が済んだ後に改修工事という段取りになってますが、その設計を申請されている方がことしは4件ございます。昨年は2件でしたので、件数的にはふえてはおりますが、一応まだ枠には余裕がありますので、せめてその枠を目いっぱい使っていただけるように広報はしていきたいなと考えてます。 ◆4番(大石元則君)  今のお話では、もう既に設計を希望されてる方が4件ほどあるように聞きましたけども、その4件についてはもう診断が終わったということなんでしょうか、6月1日からの申し込みで。 ◎防災対策課長(田中幸人君)  その4件の方については、1件の方が平成24年に診断を受けてます。そして、残りの方は平成27年に診断を受けてます。 ◆4番(大石元則君)  私は単純に6月1日から診断を受けて、その結果を受けて次へ進むのかなと思っていましたが、その方たちは過去に診断を受けて、それからどうしようかいうことで現在に至って、設計のほうまで積極的に取り組むという案件なんでしょうか。 ◎防災対策課長(田中幸人君)  一応設計、耐震診断については6月に申し込みを受けて、それを今、防災対策課では毎週和歌山の建築士会に送っております。それで、建築士会のほうから新宮、東牟婁の建築士会支部のほうに来て、そこから耐震診断に行っていただいてるんですが、件数も多いし、市町村をまたがってますので、ちょっとなかなか6月中とか7月中とかいう、スムーズに行えない場合が多いので、なかなか単年度で診断、設計、改修というのはいきにくいパターンが多いと聞いてます。ですので、ことし単年度で耐震診断をしていただいて、設計士と相談していただいて、次年度に向けてという形が多いようです。 ◆4番(大石元則君)  ということは、耐震診断の結果は当面有効というか、各年度へわたって希望者が希望すれば、この先、診断を受けて改修の必要があると認められた方については、これから先も申請していけるということなんでしょうか。 ◎防災対策課長(田中幸人君)  この制度の耐震診断を受けられている方については、そのような対応ということです。 ◆4番(大石元則君)  当面有効ということですね。 それでは、これまでの実績は実際、平成16年から始められたと聞いておりますが、どのようになっておりますか。 ◎防災対策課長(田中幸人君)  耐震診断については、旧熊野川町も含めまして、平成16年度からで全部で548件行ってます。そして、耐震改修については、平成18年度から行ってまして、22件のみです。 ◆4番(大石元則君)  平成18年というのは、10年間にわたって22件ということは平均すると2件どまりということでよろしいんでしょうか。 ◎防災対策課長(田中幸人君)  一番多い年で4件です。1件から2件が大部分となってます。 ◆4番(大石元則君)  今年度はどういうふうに考えておられますか。 ◎防災対策課長(田中幸人君)  今年度は4件の方がお越しなんですが、昨年度は防災対策課の職員が前年度に耐震診断を行った家庭に対して訪問とかはして、こういう制度もありますのでということは御連絡はしてます。ことしについても、件数的には昨年よりはふえますが、それほどめちゃくちゃ多いという件数ではありませんので、結果が出たらそれぞれが分担して訪問して、次にはこういう制度が御利用できますよというような御案内は個別でしていきたいなと思ってます。 ◆4番(大石元則君)  個別ということですけども、実際個別で診断をしないかということはちょっとまず不可能に思いますので、実際、現在耐震診断を受けていただくためにまず考えれるのは、各支所で申し込みが、この事業に乗って耐震診断をまず受けたいんだといえば、各支所でもう用意されているのでしょうか。 ◎防災対策課長(田中幸人君)  すみません、私の言い方がまずかったようで、個別というのは耐震診断をされて結果の出た方にということです。 そして、各支所でということでしたが、これについては一応イレギュラーなこともあり、確認させていただきたいこともあるので、防災対策課で受け付けをさせていただきたいと思ってます。ただ、ことし、この制度申し込みを受け付けるに当たって、各支所や行政局のほうに私のほうから十分説明されていなかったので、ちょっと御迷惑をかけたところがありますので、その後は、できれば直接来ていただくのがありがたいですが、高齢の方とか、なかなか来れないという方には御連絡いただいて、支所から、それで支所からでも本人からでも連絡いただいて、ちょっと私のところの職員が伺うなりということで相談させていただきたいと思います。 ◆4番(大石元則君)  そういう個別の対応ということだったんですね。 そういう個別の対応はどちらにしても必要になってくると思うんですけども、この事業は皆様に周知徹底させていって、取り組んでいってしかるべき事業のように思います。三輪崎支所なり、高田支所なり、行政局なり、担当の窓口のほうでこの手の事業をちゃんと認識されてるというか、その点についてはどうお考えですか。 ◎防災対策課長(田中幸人君)  何年間も継続している事業ですので、各支所の皆さん、御存じなんですが、私どものほうから、まずはそういう毎年のことであっても、広報に載ったときには必ず訪問して細かな打ち合わせをこれからもしていきたいと思ってます。 ◆4番(大石元則君)  要は各支所の窓口で受け付けはできるんですか、できないんですか。 ◎防災対策課長(田中幸人君)  一応確認させていただきたいこともありますので、防災対策課のほうで受け付けは一本化したいと思ってます。 ◆4番(大石元則君)  一本化ですか、まず。ということは、各支所では申し込みに行っても説明も受けられないし、申し込みもできないという理解の仕方でよろしいんでしょうか。 ◎防災対策課長(田中幸人君)  説明というのはしてはいただけるんですが、一応その上でこちらに御連絡いただいて、また私どもから来た方に対しては連絡させていただいて、また細かな説明はさせていただきたいと思ってます。 ◆4番(大石元則君)  連携プレーをとられるということでよろしいんでしょうか。 ◎防災対策課長(田中幸人君)  十分そういう点では連携していくようにしますので。 ◆4番(大石元則君)  ありがとうございます。 あと、耐震診断は無料で受けられるんですね。 ◎防災対策課長(田中幸人君)  木造の家屋については無料で行ってます。 ◆4番(大石元則君)  それなりの条件があるように聞いてます。昭和56年以前の木造住宅についてとか、その程度だったら、ある程度皆さん、情報は共有されて。さらに無料診断というて、市報では制約は特に何件までとは書いてないんですけど、実際どうなんでしょうか。 ◎防災対策課長(田中幸人君)  一応、現在、県からの枠というのは45件の耐震診断の無料の枠があります。現在16件ですけども、今のところはなかなかちょっと数字的に伸びてないんですが、ことしは熊本地震がありましたし、そういうとき、いろんなことがあったら、また相談してほしいということは、県とは話し合ってはおります。 ◆4番(大石元則君)  今、県の話が出ましたけども、この事業は県の事業なんでしょうか。 ◎防災対策課長(田中幸人君)  これは国が2分の1、県が4分の1、市が4分の1です。 ◆4番(大石元則君)  ということは、市民にとってはかなりの補助の率でもって、この事業を受けられるという話なんですけども、実際市報に載ってるのを見ますと、工事費が200万円の場合、自己負担は87万円で済むと。400万円の場合は、自己負担は268万9,000円と計算されて、目安がつくられております。この金額が高いか安いか、命を守るためにどれだけの費用をかけれるかというのは、市民にとっての苦渋の選択というか、考え方一つなんでしょうけども。実際せめて自分の家が大丈夫なのかいうことは皆さん、興味ございますので、今後耐震診断を受けられるような持っていきようをお願いしたいと思います。 それで、少しずつわかってきたのですが、普通この案内を見て一つ疑問があったんです。といいますのは、募集期間が12月28日まで、建てかえ設計なり建築工事なりが用意されてますけど、耐震診断は来年の1月30日まで予定されております。この点について、診断の終わった後でも設計なり建築工事が受けられるのかなという疑問があったので、その点はいかがでしょうか。 ◎防災対策課長(田中幸人君)  事業について年度内実施ということがありますので、耐震の補強については12月末とさせていただいております。それで、改修工事についても、申し込みは12月末とさせていただいてます。 ◆4番(大石元則君)  その後、診断を受けて申し込まれる方はどうなるんでしょうか。 ◎防災対策課長(田中幸人君)  例えば1月に診断を申し込みになって、3月末までに診断の結果が出た場合には、次年度については、予算については議会において承認をいただいた後のことになりますが、県がこの制度を活用しているようでしたら、次年度の申請というふうになってきます。 ◆4番(大石元則君)  ということは区切りはあるけど、一応1年を通して受ける可能性はありますよという理解でよろしいんでしょうか。 ◎防災対策課長(田中幸人君)  そのように活用していただけたらと思ってます。 ◆4番(大石元則君)  ありがとうございます。なかなか市民にとってはわかりづらいところがまだまだあるように思いますので、申し込みが始まったばかりの状況でありますので、今後また推移を見定めていきたいと思います。 その耐震診断なんですけど、指定避難所のほうの耐震診断はもう既に行われているんでしょうか。 ◎防災対策課長(田中幸人君)  指定避難所の中では、五つの集会所については耐震性がないという結果になっております。 ◆4番(大石元則君)  その指定避難所については今後どうされる予定なんでしょうか。 ◎生活環境課長(岩崎誠剛君)  指定避難所の中で集会所の担当が生活環境課ですので、お答えさせていただきます。 改修が必要であるというふうなことに診断上なっておりますが、また関係課協議しながら相談をしていく必要があるかなというふうには認識をしております。今のところ、まだ改修予定はございません。 ◆4番(大石元則君)  これから検討されるということで。 ◎生活環境課長(岩崎誠剛君)  関係課、防災対策課とか関係するところと相談をしていく必要があるというふうな認識をしております。 ◆4番(大石元則君)  相談はされるという認識でよろしいでしょうか。 ◎生活環境課長(岩崎誠剛君)  必要と考えてます。 ◆4番(大石元則君)  ありがとうございます。 まだまだ後先生の講演を受けて、精査していかなければならない分野がたくさんございますが、次の質問もありますので、次回に期することにいたしまして、災害に備えるの項を終えたいと思います。 次は、地域おこしのための農林水産業とはという項目に入りたいんですけども、この項目に入る前に、一般質問の席でありますので、あえて言わせていただきたいことがございます。 私は今、ある意味、憤慨するとともに落胆しております。なぜなら、14日の定例会において、その報告の中で、新宮港埠頭株式会社の業務報告がなされました。私は、新しい事業を計画されていることをそこで、その場で確認いたしました。その後なのですが、新宮市の将来を考えての質問とは思いますが、会社の経営形態における経営内容の質問などが多く、ナマズの養殖という誰も手がけたことのない新しい事業を成功させるためには、まだまだ幾つかの課題が残されているのではないかという立場に立たれる方が少なかったように思います。このようなことで、新宮市のまち・ひと・しごと創生総合戦略が成功していくのでしょうか。余りにも創生総合戦略の取り組みの情報が、まだまだ共有されているとは言えないのではないでしょうか。そこで、職員の皆様にも民間の力を引き出して新宮市を活性化していくんだという、もう少し力強く前向きな答弁を求めてまいりたいと思います。 それでは、地域おこしのための農林水産業とはに入らせていただきます。 まず、他業種からの参入でございますが、今申し上げたナマズの養殖事業になるんですけど、この総合戦略、具体的施策において地域資源を生かした産業の振興が見えてまいりました。新産業の創出でもって雇用を創出しようというものであると認識しております。このナマズの計画は、当然、先ほど申しましたように、雇用創出、ある意味、新産業の創出という見方ができるのではないかと私は考えますが、当局の見解を求めます。 ◎企業立地推進課長(山本茂博君)  この計画そのものがずばり農林水産業の農業と水産業において、新宮市の産業振興策としての大きな視点として捉え、水産業が農地を高度利用してナマズの養殖事業を新産業とした地域ブランド化というものを目指すものと思います。 現時点で、雇用につきましては、人数的なものは検討中であるというふうに聞いておりますが、多少の雇用は生まれるというふうに聞いております。 ◆4番(大石元則君)  ありがとうございます。 このことに関してだけではなく、これからも異業種の会社の参入が、農業の分野においても入ってくる傾向が今後ともあるのではないかと思いますので、これからの課題として取り組んでいく上で質問させていただきます。 今おっしゃられた内容の中で確認していきたいのは、ウナギにかわるナマズの養殖ということは、実際、これは水産業に当たるのでしょうか。特に水産業に取り組む上で農地を使うということになるかと思うんですけども、農地を養殖池にするということについての問題はないのでしょうか、お尋ねいたします。 ◎農林水産課長農業委員会事務局長(名古一志君)  ナマズの養殖につきまして、あの場所につきましては、内水面での養殖ということで水産業というふうに認識をしてございます。 それと、農地ということでございますので、事業内容によって農地を含めてさまざまな法規制がございますが、これをクリアすれば特に問題はないというふうに考えてございます。 ◆4番(大石元則君)  これからの課題として、法律にのっとって進めていけるかどうかという課題が見えてきたように思います。 これは単純な質問で申しわけないんですけども、耕作放棄地というのは農地に含まれるんでしょうか。 ◎農林水産課長農業委員会事務局長(名古一志君)  登記簿上あるいは現況、農地の部分は農地ということでございます。 ◆4番(大石元則君)  今回の計画では1.4ヘクタールが対象になってると知りました。この中に耕作放棄地は実際あるのかないのか、あるとすれば面積的にどれぐらいあるのでしょうか。 ◎農林水産課長農業委員会事務局長(名古一志君)  耕作放棄地の現地確認の結果ですが、約50アール程度の耕作放棄地がございます。 ◆4番(大石元則君)  とすると、残り1ヘクタール近い農地が栽培されていると思いますけど、何が栽培されているところなんでしょうか。 ◎農林水産課長農業委員会事務局長(名古一志君)  現地では水稲が作付されております。1枚だけ畑のために準備がされてございます。 ◆4番(大石元則君)  基本的には新産業の創出ということで反対はいたしませんが、仮にナマズの養殖池ができれば、1ヘクタール近い水田を耕作されている耕作者の人ができなくなります。その耕作者の人数は何人なんでしょうか。 ◎農林水産課長農業委員会事務局長(名古一志君)  昨年の水稲共済のデータで4名となってございます。 ◆4番(大石元則君)  そこで、農林水産課にお尋ねいたします。現在、三佐木地区の農地の耕作状況をちゃんと把握されておりますか。ちゃんと把握されておれば、何らかの、今回のような都合で、もし耕作できなくなっても別のところを紹介できると思うのですが、いかがですか。 ◎農林水産課長農業委員会事務局長(名古一志君)  農地台帳を基本としまして毎年耕作状況の調査を実施しております。ただ小作に関しましては、まだ把握してないところもございます。 ◆4番(大石元則君)  こういうようないろいろな可能性が出てきた中で、やはりある部分、農地を農地として守っていくところもなければ、今後、新規就農者が出てきた場合にも間に合わないと思います。かといって、今の状況は、耕作者が高齢化なおかつ後継者不足ということで、地主にとってはこれから耕作を続けていただけるのかという不安があると思います。そういった状況を踏まえた上で、今後この問題に取り組んでいく必要もあると思いますので、これからの話なので今後とも注視していきたいと思います。 さて、新規参入については、現状では今お話しさせてもらったとおりなんですけども、熊野川地域フラワーツーリズム推進事業についてお尋ねいたします。 耕作放棄地を耕作放棄地とするのではなくて、もっと前向きな姿勢で取り組もうとしているのがフラワーツーリズムと認識しております。そこで、この事業について一問一答形式でお尋ねしたいと思います。 いつから始まった事業でございましょうか。 ◎熊野川行政局住民生活課長(丸石輝三君)  この事業は平成27年4月に組織しまして始めております。 ◆4番(大石元則君)  始められたきっかけは何だったんでしょうか。 ◎熊野川行政局住民生活課長(丸石輝三君)  平成23年の台風12号により地域が甚大な被害を受けまして、農地もかなり被害を受けました。そうした中で、機械が浸水したりとか高齢化ということで、耕作放棄地がふえました。そんな中、何とか農家の人と農地を活用できないか、再生できないものかと相談した中、休耕地とあわせて花でも植えていこうやないかということで、農地を守りながら地域を元気にしたいという気持ちで始めております。 ◆4番(大石元則君)  ヒマワリが有名になっておりますが、ほかにどんな花があるのでしょうか。 ◎熊野川行政局住民生活課長(丸石輝三君)  菜の花とレンゲを昨年は植えております。 ◆4番(大石元則君)  栽培作物は花だけなんでしょうか。 ◎熊野川行政局住民生活課長(丸石輝三君)  以前、ソバを植えたという経験があったらしいので、昨年は信州大ソバを栽培しております。 ◆4番(大石元則君)  では、この事業にはどんな人たちが参加してくれているのでしょうか。 ◎熊野川行政局住民生活課長(丸石輝三君)  協議会のメンバーでございますが、みつの地域活性化協議会、地元土地改良区、新宮商工会議所青年部、JAみくまの熊野川営農センターなどの方々で構成しております。
    ◆4番(大石元則君)  さらに、イベントもやってると思いますが、どんなイベントをやられてますか。 ◎熊野川行政局住民生活課長(丸石輝三君)  平成28年度につきましては、5月に田長地区におきましてこいのぼりを設置し、地域の物産などを集めてミニ物産展の開催をしております。それから、もう既に始まっている、ことしは6月から8月にかけて、ヒマワリの種まきを行う予定にしております。9月には何とか見事咲かせてひまわりまつりの開催、その後9月から10月にかけて、ソバ、菜の花の種まきを行う予定としております。 ◆4番(大石元則君)  ことしも周知徹底されてイベントが盛り上がるといいと思います。 このイベントについて企画、制作は委託してやっているのでしょうか。 ◎熊野川行政局住民生活課長(丸石輝三君)  協議会の中でいろいろ相談をいたしまして、また地域の人からいろんな意見を受けております。それらを参考にしながら、協議会のほうで企画と制作を行っております。 ◆4番(大石元則君)  地元の人たちが皆さん含めて、取り組んでおられるということでよろしいのでしょうか。 ◎熊野川行政局住民生活課長(丸石輝三君)  そのとおりです。 ◆4番(大石元則君)  特にこれから新たな挑戦というのは考えておられるのでしょうか。 ◎熊野川行政局住民生活課長(丸石輝三君)  現在、6月初旬から敷屋地区、日足相須地区でも地域の方々によりヒマワリの種まきを開始しております。またこれらと並行しまして、水害に強いショウガなどの農作物を植えています。たくさんの方々に花を見に来ていただき、地元の新鮮な野菜や加工品を提供し、何とか地域の方々のなりわい、生きがいづくりができないものかとちょっと今、皆さんと検討中です。 ◆4番(大石元則君)  説明ありがとうございます。 最後に、これまで取り組んできた成果について聞きたいと思います。去年、ことしと来年へ向けてと単年度なんですけども、作付面積の推移について説明願いたいと思います。 ◎熊野川行政局住民生活課長(丸石輝三君)  始まったばかりなので成果というのはなかなか難しいんですけど、今年度は昨年の経験を生かせると思っております。まず、ヒマワリについては、昨年は約4ヘクタール、20万本咲かせております。約ですね、これは。今年度は約5ヘクタール余り、30万本から40万本咲かせようと計画しております。大体休耕田については、そこら辺の面積になります。それとあわせて、農作物もふやしていければなと考えております。 また、これらを通じまして、皆さんに農地へ足を運んでいただいて、少しでも農業に興味を持っていただき、農業の担い手ができないものかなと考えております。 ◆4番(大石元則君)  熊野川町で取り組まれているフラワーツーリズムの推進事業、ある意味、地域おこしだと思います。その様子がかいま見られたように思います。私的には交流人口という観点からしても大きな成果をおさめてきていると考えます。今後の取り組みに期待したいと思います。 バイオマス発電について、さらに話を進めていきたいと思いますが…… ○議長(榎本鉄也君)  休憩、いいですか。 ◆4番(大石元則君)  はい。 ○議長(榎本鉄也君)  質問中でありますが、15分程度休憩いたします。 △休憩 午前11時00分--------------------------------------- △再開 午前11時17分 ○議長(榎本鉄也君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続けます。 4番、大石議員。 ◆4番(大石元則君) (登壇) それでは、始めさせてもらいます。 後のことを考えますと、ぜひ1時間半以内におさめる努力をさせていただきたいと思います。 バイオマス発電についてですが、当局からまずメリットはどういう……バイオマス発電というのは、私も現地を見学させていただいて、一番新宮市にとっては、ある意味、有望視されるという実感も受けました。その点も含めて、当局に説明していただければと思います。 ◎企業立地推進課長(山本茂博君)  ことし初め、議員とも一緒に視察をさせていただきまして、事業の効果、いわゆるメリットの部分で申し上げますと、やはり発電所への燃料供給、これによる地域の林材振興、それと雇用の創出、そこに期待を持っているところです。松阪のバイオマス発電所を視察した際においてお聞きしたのは、直接雇用で15名、それから素材生産業ほかへの波及雇用、これを含めるとやはり80人ほどの雇用が生まれているというふうにも聞いております。この地域におきましても、非常に大きな経済効果が生まれるものと。それと森林整備の推進、それから山村活性化、ここに寄与するものと考えております。非常に期待の持てる事業と考えております。 ◆4番(大石元則君)  山の仕事にもつけるし、発電所でも働けるという理解だと思いますが、内容的には5,000キロワットから2,000キロワットを目指すことによって、本市でも取り組める可能性があるやに聞いておりますが、可能性についてはいかがでしょう。 ◎企業立地推進課長(山本茂博君)  恐らく今の流れから申し上げますと、2,000キロワット規模のものが非常に、FITの価格のこともございますので、その辺が今主流というふうに聞いておりますが、当地域においても最近の明るいニュースといたしましては、関西電力の送電の部分、いわゆる系統制限の緩和がこの7月1日に行われますもので、非常に一つ光が差してきたのかなと思っております。そういうことも含めて、楽しみな事業かなというふうに思っております。 ◆4番(大石元則君)  説明ありがとうございます。 2番において、地域おこしを積極的に発言させてもらったつもりではございます。ただ、ナマズの話については、最近話題に上った件であります。フラワーツーリズムについては、それなりの取り組みがなされてきてます。バイオマス発電についても、大いに見込みが見えてきました。にもかかわらず、新宮市人口ビジョン、新宮市まち・ひと・しごと創生総合戦略においては、余り取り上げられていないように思います。その点についてコメントをいただきたいと思います。 ◎企画調整課長(新谷嘉敏君)  大石議員におかれましては、昨年度作成させていただきました人口ビジョン、また、まち・ひと・しごと創生総合戦略の推進会議には当初よりほぼ毎回傍聴に来ていただいておりました。また、ただいまの一般質問をお聞きさせていただきましても、この創生総合戦略に対し、十分期待していただいているものと確信をいたしました。 今回質問のあった内容につきましては、総合戦略の四つの目標の、主に産業の振興による安定した雇用の確保を図っていくという部分に該当するところでございます。今回、また御指摘をいただきました創生総合戦略の重要性も再度認識して、機会あるごとに広報もして、十分成果が得られるような計画にしていきたいと考えてございます。今後も御指導よろしくお願いいたします。 ◆4番(大石元則君)  ありがとうございます。 今後取り組んでいく方向ということがわかりましたので、この項を終わりたいと思います。 最後の市長の市政に対する基本姿勢を問うに移りたいと思います。 私は、出土した遺跡を生かしていくためには、子供たちに新宮城下町遺跡をという立場から、市長の基本姿勢を問いたいと思います。 一昨日、遺跡の発掘現場に行ってまいりました。見学会以来のことでございました。そこで、まず私は残念な気持ちになりました。残念に思ったのは、発掘された城下町遺跡が砂で埋め尽くされていたからであります。 そこで、質問があります。新宮市の小中学校では、ふるさと学習について年間指導計画が立てられています。その内容は郷土への誇りと愛着を育む教育の充実を目標に設定して、各学年に沿った積極的なカリキュラムが組まれております。そして、この学習の題材例の中に、場所については速玉大社、阿須賀神社、神倉神社、権現山、新宮城、池田港、歴史民俗資料館などあります。歴史については、古事記、日本書紀の新宮、神武東征と八咫烏伝説、徐福伝説、アリの熊野詣等々あります。どの題材も新宮のふるさと学習にふさわしいものばかりであります。これらの教材に匹敵する新宮城下町遺跡や発掘作業は、当然ふるさと学習にふさわしいものと考えます。それなのに、今年度の学習の年間スケジュールにも学習の題材にも出てきておりません。教育長、どうしてなのか説明を求めたいと思います。 ◎教育長(楠本秀一君)  学校というのは、今年度の計画を3学期中につくってしまうということで年間スケジュールを立てます。ですので、想定外のことについて、なかなか対応がし切れない部分がありまして、今回の遺構発掘作業については、二次の市民説明会があるということについては校長会でも説明し、担当からも説明したわけですけども、たまたま中学校の体育祭と重なってしまって中学生は見れなかったということなんですけども、それ以前に2月に新宮市ふるさと教育連絡協議会において、担当の学芸員から文化財あるいは今回の遺構について概略を説明いたしました。今後、これから来年にかけて発掘調査があるので、教材あるいは見学に来ていただきたい。めったにない機会なのでということで、先生方にお願いしておるところなんですけども、先ほど言いましたように、年間スケジュールは決まっておりまして、5月の説明会には児童生徒は見学できなかったということなんですけども、今後二次調査もありますので、そういった機会を捉えて、また学校に要望していきたいなと思っております。 ◆4番(大石元則君)  ちょっと疑問を呈したいところもあるんですが、なぜかといいますと、発掘調査をするということはもう去年のうちに決まっていることだし、発掘調査は年明けから始まっております。やっぱり教育委員会として、どう取り組んでいくということもいろんな課題があるとも思いますが、今回の遺構、要は埋めてしまったら子供たちが見えないんですよ。学習の題材にしたいと思ってもできないんです。その点だけは言っておきます。 さらに、城下町遺跡の発掘現場なり、出土品や遺構は文化財保護法や関係する機関、学者、愛好家だけのものではないはずです。まして子供たちは、先ほども申しましたように、これからの新宮を担っていく人たちです。教育の現場でも生かされるべきではないでしょうか。市長の見解を求めます。 ◎市長(田岡実千年君)  議員おっしゃるとおりだと思います。遺構の重要性はもちろんでありますが、この発掘現場、発掘調査を見る機会というのはめったにありませんので、学習の場に生かしていただきたいというふうに思います。 ◆4番(大石元則君)  よろしくお願いします。 コメントをさせていただきます。 今、遺構の保存方法が取り沙汰されております。皆さんで取り組んでいただいております。保存については現状保存、移築保存、記録保存がありますが、私は記憶保存を提唱したいと思います。もっとも長く記憶してもらえるのは子供たちです。そんな子供たちにめったとめぐり会えないチャンスが今訪れております。ぜひ子供たちに記憶保存してもらえるよう、御配慮をお願いしたいと思います。ちなみに記憶保存は私の造語であります。 発掘現場では、一昨日残念な思いもいたしましたが、ほっとした一面もございました。砂の下に消えてしまった遺構でありますが、砂で埋め戻したおかげで、きのうのような大雨が降っても、遺構が崩されてしまうという心配がなくなったからであります。本当にほっとしていてよろしいんでしょうか。担当課に聞きたいと思います。 ◎文化振興課長(畑尻賢三君)  いわゆる今の状態というのが現地保存という状況になっているということでございます。養生するための砂を敷いて、崩れないように土のうなどを組んで、その上に埋め戻しているという状況でございます。 お尋ねの趣旨というのは、取り壊される心配がないのかということかと思いますけれども、記録保存が目的の発掘調査というのは、全体としてそこを開発するということで、その遺構を記録保存して残していこうということでありました。ただ、そのため発掘調査自体が破壊行為と言われているゆえんであります。その中で重要な遺構が発見されたわけでございます。そのために、残りの部分を発掘調査する際には記録保存にとどまらない、保存に配慮した効果的、効率的な調査方法を選択して進めていきたいということでございます。 ◆4番(大石元則君)  保存に関してはもろ刃の剣でありまして、本当に保存しておきたいと思えば、そこを掘らなかったらよかったわけでございますが、ある意味、幸いにもあそこに文化複合施設を建てようということで試掘が行われたと思います。そのおかげで新宮の縄文から始まって、江戸、近代に至るまで様子をうかがえることができました。これもまたある意味、文化複合施設をあそこへ建てようとしたからであると思っております。今後のことは、文化複合施設建設に係る遺構発掘調査及び都市再構築戦略事業調査特別委員会で検証されていくことになると思います。少しでも早く合意形成がなされなければならない状況であると考えます。しかし、文化財の価値を見失うことのないようにしていただきたいものと思います。せっかく新宮人のルーツの一部が発見されたのですから、市民の皆様とともに今は喜びたいと思います。 次に移ります。 地域包括ケアシステムを確かなものにしていくにはということで、私的に考えたことを質問いたします。 私の理解では、この地域包括ケアシステムというのは、まず医療と介護は役割こそ異なりますが、目的は市民の命を守るという点で共有できます。そして、健康な地域住民の助けを得ながら、医療の現場と介護の現場を行ったり来たりしながら、在宅ケアをより安全でより安心できる場にしていこうとするのが、地域包括ケアシステムの構築であると考えます。新宮市にあっては始まったばかりであります。そして、議会においては、地域包括ケアシステム調査特別委員会の中で、新宮市の現状に合ったシステムづくりを目指して検証が続いております。 時を同じくして、今回、広島県尾道市のみつぎ総合病院の名誉院長、特別顧問でもありますが、山口昇氏を招いて、来月16日夕方6時に新宮商工会議所の2階会議室で講演会が予定されていると聞いております。山口氏はその道の先駆者と聞いております。これから地域包括ケアシステムを確かなものにしていこうとする新宮市にとっては、かけがえのないチャンスだと思います。担当課の考えをお聞かせ願いたいと思います。 ◎健康長寿課長河邉弘ミ子君)  地域包括ケアシステムを確かなものにしていくための要因の一つに、まず2025年問題の背景でありますとか、新宮市が進める地域包括ケアシステムの構築に関し目指すべき姿や目標を地域の専門職や関係者に理解していただき、考え方や認識の統一を図っていかなければ推進できていかないと思っております。行政以外の地域関係機関や関係者での意識の共有を図るべく、規範的統合が地域包括ケアを確かなものにするためには、まず重要と考えております。 今回の講演はそのための取り組みの一つです。特に医療と介護の分野では、考え方を共有するということについて大変難しいと実感していて、今回は地域包括ケアシステム構築での在宅医療・介護連携推進事業の一環として、地域包括ケアシステムづくりにかかわってもらう必要のある関係機関や専門職の人に対し、地域包括ケアシステムの構築の必要性について関心を持ってもらい、理解を深めることを目的に実施したく思っております。 今回、公立みつぎ総合病院の山口名誉院長をお招きするんですけれども、先生が実施してきた病院のシステムをまねるということではなくて、先生のつくられた寝たきりゼロを目指すという考えのもとでありますとか、あるいは入院して退院後も家で安心して生活したいという患者のニーズを置き去りにせず、向き合われて取り組まれたという意識のところに着目しております。 以上です。 ◆4番(大石元則君)  今の状況がかいま見えたように思います。 その講演会でありますが、現在どこまで準備が進んでいるのでしょうか。 ◎健康長寿課長河邉弘ミ子君)  当日の準備につきましては、ほぼ予定どおりに運ぶようになっております。一番大事なのは啓発だと思っておりまして、今医療関係者、行政関係者、介護関係者のところに御案内等させていただいてPRをしているところです。ちなみに医療関係者は、もちろん医療センターは主催者側なんですけれども、新宮市医師会の先生に来ていただきたいというのが大きな目標でもあります。あと新宮医療圏域内の病院、新宮保健所、あと紀南歯科医師会、新宮市薬剤師会のほうに御案内をさせていただいております。また行政関係では、東牟婁町村会と、あと東牟婁管内の町村の担当課の方にお声かけをさせていただいております。あと市内の介護事業所のほうにも全て案内をしておりますし、あと集まることがありましたら、その都度PRさせていただいているという状況です。 ◆4番(大石元則君)  その中でどうしてもお医者さんの力も今後必要になってくるのは明らかだと思います。 そこで、市長にお尋ねいたします。防災対策を取り組むに当たって、この間、後先生を、専門家の方をお招きして講演会が開かれた中で、市長みずから出席されております。職員の皆さんも率先して取り組まれている様子が伝わってまいりました。そこで、地域包括ケアシステムにおいては、今回の講演会、市長みずから時間を確保されて、地域包括ケアシステムについての見識を深められてはいかがと私は思いますが、その点いかがでしょうか。 ◎市長(田岡実千年君)  この日、ほかにも予定が入っておりますが、できる限り、可能な限りの時間を講演会に参加させていただいて、しっかりと学びたいと思ってございます。 ◆4番(大石元則君)  もし万が一、市長が出席できないときは、ほかの三役の方でという話もあるんですが、いかがでしょうか。 ◎市長(田岡実千年君)  なるべく多くのスタッフが聞きに行きたいというふうに思ってございます。 ◆4番(大石元則君)  そこで、さらに率先して、今担当課からの説明にもありましたけども、医師会のお医者さんや医療センターの現場のドクターの皆さんに呼びかけて、一人でも多くのお医者さんに聴講していただけるように努めていただきたいと思うのですが、市長のお考えを。 ◎市長(田岡実千年君)  今回、特に今議員おっしゃっていただいた医療関係や介護関係の方に聞いていただきたい内容でございますので、今担当のほうでPRに努めているところでございます。 ◆4番(大石元則君)  担当課のほうでも努めていただいているのは承知しております。身近なお医者さんなり、市長みずからお声かけいただくようなことはいかがでしょうか。 ◎市長(田岡実千年君)  私からも声をかけたいと思います。 ◆4番(大石元則君)  よろしくお願いします。 市長の市政に対する基本姿勢の総括を行いたいと思います。 今回なかなか気持ちはあっても、今の状況を見るにつけ、まだまだ至らない自分の力不足を感じるところでありますが、常々市長の市政に対する基本姿勢を伺っていて思うのですけども、きのう、ふと気がついたんですけども、大西議員が神様であるなら、これからの私にとっては、田岡市長は慈愛に満ちた仏様のように思われます。この慈愛に満ちた仏様の市長が、歴史ある新宮城下町遺跡や、今お尋ねした地域包括ケアシステムを私はないがしろにするはずはないと思っております。責任を持って保存すべきものは保存し、市民のかけがえのない命を守るために、地域包括ケアシステムを充実していただけるものと信じます。市長、よろしいでしょうか。 ◎市長(田岡実千年君)  先ほどの話にもありましたように、これから2025年問題でありますとか、それ以降も少子高齢化の大変厳しい状況になってくるというふうに予想されております中で、昨年の4月に地域包括ケアシステムの構築係を新しく創設したわけであります。このことについてはしっかりと、これから重要課題として取り組んでいくべきものだというふうに考えてございます。 ◆4番(大石元則君)  神様と仏様にすがりたい気持ちでございます。 最後に、きょうは市長、ボウリングの日だと御存じでしたか。 ◎市長(田岡実千年君)  さっき秘書課長に調べていただいたら、ボウリングの日だと答えるように言っていただいたわけでありますが、それと記念日としてはボウリングの日とか、あとカニの日とからしいんですが、きょうはまた第24回の参議院議員の通常選挙の公示日だというふうに答えさせていただきたいと思います。 ◆4番(大石元則君)  いよいよ国政選挙が始まります。 あとボウリングの日については、私も教えていただいております。きょうの一般質問でストライクをとりにいったのでございますが、ちょっとボールコントロール、質問のほうがうまくいかなくて、何本かピンを残してしまいました。残されたピンは、次に登壇する同期で学芸員の資格を持つ北村議員がちゃんとカバーするものと思います。 それでは、よろしくお願いいたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(榎本鉄也君)  昼食のため、午後1時まで休憩いたします。 △休憩 午前11時45分--------------------------------------- △再開 午後1時00分 ○副議長(田花操君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 午後から榎本議長にかわりまして議事進行をしてまいりますので、どうかよろしくお願いいたします。 一般質問を続けます。---------------------------------------北村奈七海君 ○副議長(田花操君)  1番、北村議員。 ◆1番(北村奈七海君) (登壇) 今回も一般質問をさせていただきます。 午前中、大石議員から、きょうはボウリングの日ということで球を受け取っておりますので、私もしっかり努力していきたいと思います。よろしくお願いいたします。 今回は、大きなテーマとして、市長は新宮市をどのようなまちにしたいのかを挙げております。これは文化複合施設の建設をきっかけにして新たに発見された新宮城下町遺跡に対する取り扱いをどのように考えるかによって、今後の新宮市のあり方が大きく左右されるのではないかという意識があるからです。しかも、今年度は来年度に向けて新たに総合計画を策定している前段階の年度でもあります。 ことし、どのようなまちづくりを今後10年間かけてやっていくのかのビジョンが今おぼろげにでも固まっていなければ、総合計画を策定する市長のビジョンが今後1年かけてどのように固まっていくのかの不安が残ってしまいます。 そういう点も念頭に置いて、文化複合施設、新宮城下町遺跡について、現時点でどのように考えているのかを質問させていただくことによって、市長が今後新宮市をどのようなまちにしていきたいのか、明らかにしていきたいと考えております。 それから、通告の内容が二つあったんですけれども、今回はちょっと変更させていただいて、幼稚園の件は次回に回させていただくこととしました。そこの流れにつきましては、別紙で配付資料としております流れのところに今回の自分の質問項目が書いてありますので、これにのっとって質問していきたいと思います。 それでは、文化複合施設について質問をさせていただきます。 これはまず、文化複合施設についての1)遺跡の保存を第一に考えるべきではないか、1-1)一次調査の評価についてを、まず取り上げていきたいと思います。 文化複合施設の建設が今進められている中で、昨年度から建設予定地の一次調査が行われました。その中で、今話題となっております新宮城下町遺跡が発見されました。私は、「文化奏でる都市」という、歴史と文化を重要視するこの新宮市において、過去の蓄積の大きな結果として目に見える形で遺跡が発見されたことは、新宮市にとって僥幸だったと考えています。 しかし、その一方で、市には文化複合施設を建設するという大きな命題も抱えています。この遺跡をどのように取り扱っていくか、それが文化複合施設を建設する上でも大きな問題であると言わざるを得ません。本来であれば、遺跡が出土したことは喜ばしいことです。しかし、開発との取り合わせによって、遺跡が必要以上に邪魔なものとして取り扱われてしまうのは、市の文化政策的な観点からも避けねばならないと思っております。 そういうわけで、まずはこの遺跡の重要性、この点について自分がどういうふうに考えているかを御説明したいと思います。 一次調査の結果を見ましても、この遺跡が重要遺構であるということは、既に皆様御存じのとおりかと思います。議員説明会や教育民生委員会でも言われているとおり、一次調査を終了した段階でも新宮市教育委員会は、設計変更によって可能な部分を現地で保存公開する現状保存が必要であるという見解を出されています。 そもそも埋蔵文化財というのは、文字や記録のない時代においては唯一の資料でありますし、文字や記録のある時代においても人々の生活や生産、なりわい等、通常、文字で記録されることのない事柄、それらを明らかにすることのできる資料でもある、そういう点で学術的な価値もあるものであって、埋蔵文化財そのものに価値があるということは、皆さんうなずいていただけるかなと思っています。 そういう埋蔵文化財として、この遺跡で特に重要だと考えられているものが幾つかありますので、少し例を挙げてそれを説明させていただきます。 一つ目は、侍屋敷地の石垣です。これは江戸時代初期のものと考えられているものもあり、保存状態もよく、新宮城と城下町とが一体となって整備された可能性があることを示しています。一緒に発見された川原町通りといわれる道路跡も含めて、新宮の城下町の風景を知ることができるという意味で大変貴重です。 そして、室町時代の地下式石組倉庫、これは石を積んでつくられたもので、倉庫として使用されたと考えられます。これは堺市の商家跡の調査などで同じようなものが見られています。 それから、最近発見された鎌倉時代の竪穴建物です。これは今のところ鎌倉市だけで確認されている工法でつくられている建物跡であります。これは当時、鎌倉幕府との強い結びつきがあったことが考えられるのではないかというところで、新宮市にとって貴重な発見かなと考えられます。 こういった発見された遺構や出土品そのものに大きな意味があることは、御理解いただけるところかと思います。そして、これらがきれいな形でその当時の姿を残したまま今まで保存されていた、残っていたというところがとても重要です。これらが新宮市にあることの意味、それは調査研究の結果をもちろん待っていかないといけませんが、やはりこの新宮という土地がはるか昔から日本という歴史の中で重要な位置を占めていたのではないかということのあらわれではないかと思います。そういうはるかな時間の蓄積の結果、新宮というまちができてきたのだと知ることは、人々がこれまでをどう生き、そしてこれからをどう生きるかを考えていくに当たってもとても重要な示唆を与えてくれるものだと思います。 このような重要な発見があったわけですが、これらの発見に関して、有識者の方々の御意見を市の教育委員会は聞いておられると思います。新宮市の教育委員会から有識者の皆さんに意見を聞かれたと思うんですけれども、その皆さんはどのようにこの遺跡を評価しておられるでしょうか。 ◎文化振興課長(畑尻賢三君)  今、議員のほうから御紹介いただいたような評価をいただいております。江戸時代の西側屋敷地の北側の石垣については、浅野期に築かれたと想定されております。新宮城内でも浅野期の遺構というのは少ないという評価でございます。 それから、鎌倉時代から室町時代、議員おっしゃられたとおりですので、少し省かせていただきますけれども、複数の倉庫を備えた港湾施設という評価もできるといったことで、調査地のすぐ北側には、熊野川があり、河口から2キロという立地からも川港が想定できると、そういったことから経済物流の重要な拠点であったのではないかというような御意見、中世熊野の経済的な繁栄を語る遺跡であるというような評価をいただいております。 そして、総合的には積極的に保存活動すべきというふうな御意見かと思います。 ◆1番(北村奈七海君)  ありがとうございます。 最後の、積極的に保存活用していくということを有識者の方から言われているというのは、やはり今、この遺跡が出てきた新宮市にとって、十分に検討を重ねていかなければいけない部分だと思います。特に浅野期の遺構は少ないということなんですけど、確かに新宮城も、水野氏の時代につくられたと言われているので、こういった浅野期の遺構を残していくという意義は確かにあるのではないかと思います。 それで、市のほうでも有識者の方々にこの遺跡の評価をしていただいてるということなんですけども、私も非公式ではありますが、自分の知っている先生ですとか、連絡がとれそうな研究者の方にちょっと直接連絡をとらせていただいて、この遺跡の評価をしていただきました。それで、京都で埋蔵文化財研究所というところがあるんですけれども、そこにお勤めされている方から、直接電話でやりとりして、この遺跡の評価についてお聞きしました。その先生の評価を御紹介します。 新宮のまち、新宮の歴史にとっては、非常に重要な遺跡です。和歌山にこれだけの中世からの都市遺跡が出現することはまれです。めったにない遺跡ですね。地元の歴史を知る上では非常に価値のある場所だと思います。今の町並みができた基礎が、恐らく中世にさかのぼって、その町並みがそのまま踏襲されていたということが明らかになる、中世に遡れるというのが非常に貴重であり、おまけに現在の町並みまで踏襲されているということも貴重であるというふうに言われました。 保存活用の面についてどのようなことが考えられますかというふうに質問したんですけれども、その先生は、全面保存をするということも一つの手ではあるというふうにおっしゃっておられました。それから、県内の大学の研究者の方からも、よい状態で保存することを望みますという発言を聞いております。 それから、元和歌山県の文化遺産課に勤められていた方のお話では、まず緊急に本格的な調査を実施することが重要であるとしていただきたいというふうにお話をいただきました。特に京都で埋蔵文化財の研究をされている方のお話は、現在でも研究施設にお勤めであって、京都で日常的に文化財に接しておられる方のお話でしたので、とても説得力がありました。 このように言っておられる有識者の皆さんの遺跡に対する評価というのは、やはり重要であると判断するに足るものだと思っております。私自身もこの先生方々の意見に賛成するという立場をとりますし、この遺跡が重要なものであるというふうに考えております。 こういった先生方、そして有識者の皆さんからの評価が徐々に出てきているわけですが、先日、紀南新聞で、今議会の本会議での質疑とそれからロータリークラブでの市長の挨拶の記事が同じ日に掲載されたことがあるかと思います。6月17日の紀南新聞の記事です。こちらの記事を読みましたところ、市長はロータリークラブの冒頭の挨拶で、この遺跡について、国の文化庁や県からは国指定にもなり得るものだと言われておりというふうに、この遺跡について言及されております。しかし、同じ日に掲載された本会議場での予算質疑の中においては、同僚議員からのそういった指摘について、担当課長より公式には確認されていないというふうに言われております。 それで、質問としましては、この発言について市の見解というか、どういった認識でおられるのかということをお聞きしたいと思います。公式ではない形で国史跡の指定も受けられるものであるという認識が共有されているのでしょうか。市長、お願いします。 ◎市長(田岡実千年君)  一部の有識者の方から、公式ではないんですけど、大変重要で、国指定にもなり得る遺構、遺跡だというふうな話も伺っているところであります。今の時点では公式ではございません。 ◆1番(北村奈七海君)  ありがとうございます。 そうですね。私も有識者の方が国の史跡指定も受けられるレベルのものであるということを言われたというのは聞いておりますので、やはりそういう共通認識というのが市の中にもあるのかなというふうには思っています。 史跡指定というのは、文化財保護法の第109条第1項によって文部科学大臣が記念物のうち重要なものを史跡、名勝または天然記念物に指定することができるという法的な根拠のもとによるものです。 この史跡指定というのは、日本という国の歴史の正しい理解のために欠くことができず、かつその遺跡の規模、遺構、出土遺物等において学術上価値があると認められたものに指定が受けられるというものです。国の史跡指定を受けるということは、新宮市だけではなくて、広く日本という国にとってその遺跡が歴史的または学術的な価値を認められるということです。 それで、私の立場としましては、そういう史跡指定が受けられるかもしれないという遺跡を今ここにある形で残していけないということは、新宮市にとってはもちろんなんですけれども、国にとっても大きな損失になり得るのではないかというふうに思ってしまうのですが、その点について、市長、どういう認識でしょうか。 ◎市長(田岡実千年君)  そういった重要な遺跡は、慎重に取り扱わなければならないというふうに思ってございます。 ◆1番(北村奈七海君)  わかりました。ありがとうございます。 ちなみに三役の、あと副市長と教育長にもちょっとお伺いしたいんですけども、この遺跡については、副市長、どういう御認識をお持ちでしょうか。 ◎副市長(亀井寿一郎君)  現在出ておる状況というのは、第一次の調査に基づいた状況ということだと思います。これからまだ第二次調査ということで、今回補正予算の中にも計上させていただいておりますので、第二次調査をする上で、その状況というのは見守っていく必要があるんかなというふうには思っております。 ◆1番(北村奈七海君)  ありがとうございます。教育長はどういう御認識でしょうか。 ◎教育長(楠本秀一君)  私も大変大事な、重要な遺構だなという認識は持ってますし、県の教育長が先般、私宛てに、保存についてはきっちりとした形で保存方法を考えていくようにという通知もいただいております。ですから非常に、大変重要な遺構であるな。特に、私、有識者の中で時枝先生という方からお聞きしたんですが、今議員おっしゃった鎌倉時代のものについては、鎌倉と朝鮮半島にあって、もう一つが新宮に出てきたということで、その先生は、すごいこれは大した、立派なものだなということを耳にしておりますし、そういったことからも大変重要な遺構なのかなとは思っています。 ◆1番(北村奈七海君)  大変詳しく答えていただいて、ありがとうございます。 今そういうふうに、教育長が言われたように、やはりすごく有識者の方にとってはとても重要だと判断するに足るものが、今、出てきているということが、すごく重要だなというふうに思います。 ただ、副市長が言われたように、一次調査の結果、今そういうふうに認識されているということなので、確かに二次調査の結果も注視して見ないといけないということは共通の認識なのかなというふうに思ってはおります。 ちなみになんですけれども、遺跡の取り扱いについては、三役の、3人の方々でどういう方向で判断をしていくかというのは、何か意見のすり合わせというのは行っているんでしょうか。 ◎教育長(楠本秀一君)  特別、これについてどうしていこうということについては、保存方法については、まだ具体的なお話はしておりませんが、ただ、今のところは設計者に対して、この発掘遺構を守れるような基礎の部分の設計を指示しておりますので、そういったことが判明したから、全てわかればきっちりと話もしたいなと思ってますが、それ以前に今の状況となってはもう少し、県の教育長の通知がおとといに来て、決裁したところなんですけども、そういったことを受けて、早急にどういった保存方法が望ましいのか、そういったことは詰めていきたいなと思っております。 ◆1番(北村奈七海君)  ありがとうございます。 そうですね。今のところ、特別具体的な話はしていないということなんですけども、先日の本会議の質疑の中で、基本設計をストップさせているということが市長から言われたと思うんです。でも、これは本会議の質疑の中で初めて聞いたことで、これまで市長は6月から7月末までには基本設計を完成させたいという話をされてたと思うんです。 ただ、この基本設計がストップしているということは、実施設計には入れないということなので、特別具体的な話はできていないということなんですけれども、やはり基本設計をとめてしまっているというところから考えると、今から特別に具体的な話、いつまでに結論を出さざるを得ないという話というのは、していかないといけないのではないかと思うんですけども、そこについてはどうですか、市長。 ◎教育部長(片山道弘君)  今のところ、県教育委員会につきましては、遺構の保存、そして二次調査の発掘調査の進め方を協議しているところでございます。 また、先ほど教育長からも申しましたように、設計者については遺構保存に向けての施設の工法、配置等を協議しているというところでございまして、実際その方向性、保存のやり方とか、そういった方向性が決まっておりませんので、今の時点でいついつというちょっとお答えはしかねるような状況でございます。 ◆1番(北村奈七海君)  わかりました。 そうですね。そしたら、今、三役の御意見というか、御認識を聞かせていただいたんですけども、この遺跡についての取り扱いに関しては、庁内建設検討委員会ではその話がされているということはあるんでしょうか。ちょっと2月3日に、最初に市長が3棟から2棟に見直しをするという話をされまして、今までどれくらい庁内建設検討委員会が開かれたのかという、回数はわかりますでしょうか。 ◎文化振興課長(畑尻賢三君)  2月3日以降ということですけれども、庁内建設検討委員会は4回開いてございます。 ◆1番(北村奈七海君)  ありがとうございます。大体1カ月に1回程度という感じですよね。 この遺跡が重要ではないかというふうに言われ始めた、最初から重要じゃないかということは言われてたと思うんですけど、委員会の中でも重要じゃないかというふうに言われ始めたのは、4月の教育民生委員会のあたりだったかなというふうに思うんです。 そういった話が出てきた中で、遺跡の取り扱いについての庁内建設検討委員会というのは開かれたんでしょうか。 ◎文化振興課長(畑尻賢三君)  特に埋蔵文化財の取り扱いについてということでは開いてございませんけれども、というのは、第一次調査の終了が6月予定というところの中で、4月に教育民生委員会のほうに、その評価もお示ししてたところではございますけれども、そういった、いわゆるそれぞれの有識者の方々の御意見がこうだという認識が示されてるというところは取り扱ってございます。 ◆1番(北村奈七海君)  わかりました。 そうですね。一次調査が6月終了予定ということなので、それを待って有識者の方々の見解というのはだんだん明らかになっていくのかなと思うんですけども、その有識者の方々の見解というのは、庁内建設検討委員会にも開かれるし、教育民生委員会にも、あと新しくつくられた特別委員会にも開示される御予定はあるんでしょうか。 ◎文化振興課長(畑尻賢三君)  有識者の御意見、開示する分にはやぶさかでないというふうに考えております。 ◆1番(北村奈七海君)  わかりました。ありがとうございます。 そうですね。きっとこの有識者の方々の見解というのがしっかり明らかになって、同じ認識で、当局と議会と遺跡についての見解を、足並みそろえていくというのはすごく大事だと思いますので、見識の結果についてはぜひお示しいただけたらと思います。庁内建設検討委員会では、そういったお話はまだないということなんですけども、ちょっと三役でのお話と庁内建設検討委員会でのお話というのを私がさせていただいたのはなぜかといいますと、こういった重要な遺跡が出て、文化複合施設がやっぱり建つのか建たないのかというのは、市民の方の中でも懸念が大きくなっている部分があるのではないかなというふうに私は感じています。 文化複合施設、特にホールと図書館を建てていきたいというふうに市が思っているというのは、私は十分理解しているつもりです。その必要性もすごくわかります。なんですが、遺跡もやはり私は新宮市にとってとても重要なものであるというふうに思いますので、そこの両立をどういうふうにしていったらいいのかということは、議会側もしっかり考えを出していかないといけないなというふうに思っています。 それで、ちょっと確認させていただきたいのが、先ほどは三役の中では特別具体的な話はしてないということで、庁内建設検討委員会でも話はされてないということだったんですけども、早急にこの遺跡に関しては結論を出していかなければいけないという認識は多分あるはずやと私は思っているので、これから庁内建設検討委員会、もしくは三役でお話しする中で、具体的にどのように話し合って、結論をどうやって出していくかという、スケジュール的な見通しというのは今のところありますか。 ◎文化振興課長(畑尻賢三君)  先ほど片山部長のほうからも御答弁ありましたように、今、保存方法について、遺跡について現地現状保存というのが、遺跡にとっては最良かということかと思いますけれども、さまざまな手法で遺構保存のためにどのような設計上の配慮がとれるとか、遺構保存に最善を尽くした上で市の方針を定めて、そして県教育委員会にその協議の取り扱いについて保存を担当課としては行っていきたいというところでございます。 そういった節目節目で庁内建設検討委員会に諮って、認識を共有していきたいというふうに考えております。 ◆1番(北村奈七海君)  ありがとうございます。 そうですね。そこの保存方法が決まらないと、なかなか判断しづらいというところはわかりました。それで、保存方法に関連してくるんですけども、基本設計がストップしている中で、これをストップしていること自体は私は、結果的には悪くないことだと思っています。 というのも、基本設計を終わらせて実施設計に入ってしまうと、遺跡の取り扱いをこれからどうしていくかというところが決まらないままだと、今後の取り扱いいかんによって、また設計変更ということが起こったときに、時間もお金も余計にかかってしまうおそれがあるというのが容易に想像できるからです。 ただ、二次調査の期間なんですけども、御答弁の中では約13カ月というふうに言われてます。二次調査の結果が出るまで、基本設計というのはストップさせておくものという認識でおられるんでしょうか。どれぐらいの時点で調査を終わらせて結論を出すというのは、それも先ほどの部長の答弁という形になるんでしょうか。 ◎文化振興課長(畑尻賢三君)  そのような形になろうかと思いますけれども、議員と補正予算の際にもお話しさせていただいたように、効率的、効果的な確認調査というような方法もあるという中で、遺構の保存の、遺構の場所を特定した上で、その保存方法を、なるべく早く保存方針というものを決めて、県との協議を行った上で、その時点あたりで基本設計の期間というのは想定できるのかなというふうに考えております。 ◆1番(北村奈七海君)  ありがとうございます。 今、確認調査という話が課長のほうからあったかと思うんですけれども、今回の一般質問で私がすごく主題としたいのが、やはり今この遺跡をどのように取り扱っていくかという話の中で、確認調査をしていくべきではないかというのが私の立場であります。突然、確認調査と言われても何のことかちょっとよく御理解いただけない部分もあるかと思いますので、次に、二次調査ですとか、確認調査とは何なのかということを少し御説明させていただきたいと思います。なので、流れとしては、1-2)の二次調査の実施方法についてというところに移りたいと思います。 そもそも、二次調査、二次調査と言われてるんですけれども、どういう性質のものか。これは端的に言えば、市が最初想定していたものということからいいますと、記録・保存目的のための発掘調査、その第2回目であるというものです。ですので、二次調査と言われているものは、単に記録・保存目的のための発掘調査という性質でした。しかし、話の中でその前提というのは徐々に変化していることはお気づきのとおりかと思います。 言葉だけではちょっとわかりにくいので、参考資料を用意させていただきました。こちらの資料を参照しながら聞いていただきたいと思います。 まず、発掘調査の手順というのがありますので、前提としてそれを御説明いたします。 参考資料の裏面で、横向きになっているもの、こちらをごらんください。 四角い図形がたくさん並んでいるんですけれども、これが発掘調査の簡単な手順であります。 図1の発掘調査の手順、これが文化庁から手順が定められています。今回の場合は、右肩に番号を振ってあるんですけれども、①旧・丹鶴小跡地、ここが周知の埋蔵文化財の包蔵地です。次、2番目に進みまして、その場所で文化複合施設を建てる計画、これが開発事業計画というものが計画されました。そうなりますと、次に3番にいきまして、試掘もしくは確認調査をする必要が出てくるというふうになります。今回、試掘を行った結果、④の遺構・遺物の発見という結果になりました。そして、5番に進みまして、その遺構、遺物についてどういう取り扱いをするかという、取り扱いの協議を行います。そして協議の結果、今回は記録保存でよいという協議を経まして、6番の記録保存調査というものに進んだというのがこれまでです。 そして、通常であれば、この記録保存調査の後に建物を建てるという、工事着工の⑦に進む予定でした。しかし、6番の記録保存調査の段階で、市で行ったものとしてはいわゆる一次調査に当たるんですけれども、出てきた遺構がかなりの重要遺構であるということが判明しました。ですので、再度遺跡について取り扱いの調整を行う必要が出てきました。 それで手順としましては、7に進むはずだったものが、黒の白抜きで示させていただきました8番です。重要遺跡発見というルートを進むことになりました。重要遺跡が発見された場合は8番へいっていただいて、次にまた9番に戻ります。この取り扱い協議を経なければ、どういった形で遺跡を残すか、もしくは記録保存でよいのかということの判断がつかなくなるのでこちらに戻ります。そして9番、取り扱い協議のためにもっと遺跡を調査する必要があるということで、再度試掘・確認調査という段階にまで戻っています。それが⑩で示した矢印であります。 ですので、現在、新宮市の流れとしましては、この10番まで戻ってきている状態なのかなというふうに私は認識しております。この一連の流れのために、二次調査の性質というのは、記録保存目的、記録をとるための発掘調査というものから、先ほどもあった確認調査へとその性質が変化してきていますし、積極的に私は変化させていかなければならないのではないかなと思っています。 すみません、長くなってしまったんですが、遺跡の取り扱いを再度調整するために、二次調査の中で確認調査をする必要があるというところまでは御理解いただけたかなと思います。ですので、次に確認調査というのが何なのかということを説明させていただけたらと思います。 ちょっと裏返していただいて、縦書きのほうをごらんいただけたらと思います。 表1の発掘調査の種類、こちらを説明させていただきます。 発掘調査というのには大きく分けて二つあります。行政目的調査という上の部分と、学術調査です。それで、市が行おうと考えておられたのは3のアです、記録保存調査。この場合だと、ここに書いてあるとおり遺跡が破壊される場合というふうにあるので、遺跡が残らないという前提になっています。 予算計上を行ったときには記録保存調査を想定しておられたと思います。現在は、県との話の中で確認調査の必要性も認識されているということで、どのような調査方法がふさわしいか協議するという考え方が加わってきているというのが現状だと思っております。 それで、この中で出てくる確認調査という語句について説明させていただきます。 表2をごらんください。 こちらでお示ししましたとおり、確認調査というのは、埋蔵文化財包蔵地の範囲、性格、内容等の概要までを把握するための部分的な発掘調査と定義されております。これと対比しまして、記録保存調査というのは、やむを得ず現状保存を図ることができない埋蔵文化財について記録保存をするために行う調査であります。確認調査というのは、簡単に言いましたら、これを行うことで埋蔵文化財の概要を大まかにどんなものかつかめるというものです。 すみません、長々と説明してしまったんですけれども、この確認調査には、私はメリットがあると思っています。そのメリットとは何かといいますと、一つ目は短期間で終わることです。もう一つ、二つ目が二次調査で全面的に調査するよりも費用が安く抑えられるのではないかということ、そして、三つ目が遺跡の破壊が最小限でとどめられることという3点です。 短期間というのが、私はすごくメリットかなというふうに思っていまして、表3で調査終了までの期間というものを簡単ですがあらわしてみました。 確認調査、こちらがどれくらいの期間で終わるか、本当にざっくりした期間でいいますと、大体2カ月から3カ月だそうです。それに対比して、本調査とあるんですが、今、市が検討している記録保存調査です。この場合だと約13カ月かかるというふうに言われています。もちろん、この確認調査というのも、どういった面積で調査するのかにもよってくるので、一概に期間がここまでというふうにしっかり決めることは難しいんですけれども、13カ月かかるということはないと思います。これは和歌山県のほうにも確認させていただいています。 こちらの表3をごらんいただけたら御理解いただけるかと思うんですけれども、調査期間が短時間で済むということは、この確認調査が終われば改めて取り扱い協議にすぐに入ることができます。そこが私は確認調査を行うメリットではないかなというふうに思っています。基本設計がストップしていて、13カ月かかるであろうと言われていた二次調査がいつ終わるかわからないという時点では、この確認調査というものをまずしていったほうがいいのではないかというふうに思います。 ですので、先ほど申し上げた3点のメリットがある遺跡の保存をまず考えることができ、かつ短期間、低コストで行えるという確認調査なんですけれども、何度も確認のようで申しわけないんですが、今回の調査ではまずこの確認調査ということをやっていただくということをお願いしたいんですけれども、今の私の説明を聞きましてどのように考えておられますでしょうか。市長、どうでしょうか。 ◎文化振興課長(畑尻賢三君)  そういった効率、効果的な発掘調査をしたいということでございます。非常にわかりやすい丁寧な表でお示しいただいて、ありがとうございます。 ただ一つ、⑦のところに至る点々々バツとなっているところは、必ずしもこうではないというふうに考えております。 ◆1番(北村奈七海君)  わかりました。ありがとうございます。 そうですね。すみません、便宜上、⑦に行く道をバツとしてしまったんですけれども、取り扱い協議によっては⑦に進むかもしれませんし、そうではないかもしれないというところは、今、課長に御指摘いただいたとおりと思います。 ただ、今のお話では、確認調査の重要性、またメリットというのは御理解いただけたかと思いますので、ぜひ確認調査をやっていただくという方向でお願いしたいと思います。 市長にちょっとお伺いしたいんですけども、こういった確認調査と発掘調査、記録保存調査ですね、違いというのは把握されていましたでしょうか。 ◎市長(田岡実千年君)  はい。最近、担当課から少し説明は受けてございます。 ◆1番(北村奈七海君)  ありがとうございます。 今お聞きしたのは、この確認調査というものと記録保存調査の違いというのが、これから新宮市が遺跡をどう取り扱っていくかという部分についてとても大事な話だと思っているからです。なぜかといいますと、この遺跡の取り扱い、これは文化複合施設が建てられるか建てられないかというものだけでは、そういう話だけでは済まないものだと私は考えてるからです。 なぜかというと、この新宮城下町遺跡というのは国の史跡指定が受けられるかもしれないという評価がされています。この国民共有の財産とも呼べますし、新宮が守っていくべき宝になり得る遺跡を残すと決めるのも、残さないというふうに決めるのも、最終的にはどう判断するか、そこに責任を持つのは新宮市だからです。市が責任を持って最終判断するというのは、言いかえたら市長が最終判断するということだと私は思います。 それで、私が市長にお伝えしたいのは、以前、3月議会のときに熊野学の意義についてお聞きしたときですとか、今議会で遺跡の価値についてお聞きしたときに、その価値について判断をどうされていますかという質問をしたときに、専門家ではないのでというふうに言われてしまう、その前置きが私はすごく気になっているんです。 というのは、確かに専門家ではないというのは、それはそのとおりかなと思うんですけど、それは私も多分一緒やと思うんです。私も専門家ではないので、それはもちろん大学で歴史を学んだというのは3月議会で述べたとおりなんですけども、きょう私が一般質問の中で説明させていただいたようなことというのは、自分自身で調べたりとか、県ですとか、市の担当の方に聞いて、調べたらすぐわかる、調べたら理解できるというものかなというふうに思ってるんです。なので、こういった重要な遺構が出てきた、文化複合施設をどうすべきかという判断を最終決定して、責任を持っていかれるのはやっぱり市長やと思うんです。 ですので、そういった前置きをしてしまって、ちょっといろいろ指摘してしまってあれなんですけど、庁内建設検討委員会に任せているとか、ちょっと自分は専門家じゃないからなかなかすぐ言うのは難しいというふうに言われてしまうと、本当にこの遺跡をどうしていくのか、文化複合施設をどうしていくのかという岐路に立たされている新宮市において、しっかりと根拠を持った判断が最終的になされるのかなというところが、すみませんがすごく不安になってしまっているというふうに思っていただきたいです。 それで、私がこういうふうに言ってしまうのは、遺跡を残す残さない、文化複合施設をどうやって建てる建てないということを判断する最終責任を持っているのは市長なんですが、それを市長が市民の皆さんに対してしっかりと説明できる根拠を持っておいてもらわないといけないというふうに思っているからなんです。判断をしていく中で根拠を集めていくと思うんですけども、その持ち得た根拠というのをこういった公の場で説明していくことが政治家の説明責任を果たすということではないのかなというふうに思っています。 ちょっと前置きというか、すみません、説明が長くなってしまったんですが、最終判断を行うという立場において、責任をしっかりと果たしていけるという根拠を現時点で市長は集められておられるでしょうか。集められているか、持っておられるでしょうか。 ◎市長(田岡実千年君)  今いろいろ勉強している最中でありますが、私としては文化ホール、図書館を建設するに当たり、今出てきてる重要遺構をどういった保存方法で、この遺跡に配慮して、どうやってこの二つの施設を建てるかという判断を最終的に下さなければなりません。 そういう中で、専門家ではないんだという前置きしたときの質問が、今の遺構の価値がというような質問でありましたので、そういう前置きをつけさせたわけであります。私の一番の役割というのは、先ほど述べましたように、最終的にどこへどうやって施設を建てていくかというところの判断をしっかりとしなければならないというふうに思ってございます。 ◆1番(北村奈七海君)  そうですね。その判断をしていかなければならないということは、市長自身しっかり持っていただいてると思うんですけど、そこには根拠が必要やということが私の主張です。 それは、遺跡に関しては学術的な価値がどういう部分にあるのかということもそうですし、財政的にこの遺跡を残していって、市民の人たちにどういう効果が得られるのかという部分もそうですし、市がこれからどういったまちづくりをしていくのかという、新宮市の理念という部分で、どういう判断をするのかというような、いろいろ複合的に判断しないといけない根拠というのは必ず出てくると思うんです。 なので、そういうところの総合的な判断に至る根拠というのを、市長が今どういった形で集められているのかというところが気になっているということです。 ◎市長(田岡実千年君)  議員おっしゃるとおりです。最終判断するには、そういったいろんな根拠、情報が必要であります。そういったところは教育委員会のほうから結構頻繁に、今いろいろお話、レクチャーもいただきながら、また話し合いもしながら進めているところでございます。 ◆1番(北村奈七海君)  ありがとうございます。 ぜひ担当課の人たちのお話も聞いていただいて、判断の根拠を持っていただきたいと思います。 同じ質問を副市長にもお聞きしたいんですけれども、市長をサポートする立場というのが副市長の立場かなというふうに思うんですけども、そのお立場として、副市長はどういった根拠に基づいて、遺跡の措置をどんなふうにしていったらよいということは、どんなふうに考えておられますでしょうか。 ◎副市長(亀井寿一郎君)  先ほども私、申し上げましたように、今後の状況というものを見きわめていく必要があると思っておりますので、当然市長が決断する前にはいろんな協議というのも当然必要になっていきますので、その辺のことについては教育長ともども関係する課も一緒ですけども、庁内建設検討委員会等とも綿密な協議をしながら進めていく必要があるというふうに思っております。 ◆1番(北村奈七海君)  ありがとうございます。 そうですね。しっかり、教育長はきのうの同僚議員の質問に対して答弁されてたとおり、きょうも同じですけど、遺跡に重要な価値があるということをすごく認識されていると思うので、やっぱり市長が最終的な判断をしっかり下していけるように、ちょっときのうの同僚議員の発言とも重なるんですけれども、市長と話し合いをしっかり行えるようにサポートしていっていただけたらと思います。 では、遺跡のことを一番に考えたいという自分の立場から、やはりそこで市長からしっかりとした判断をした、こういう根拠によって判断したんやということが、判断を下したときにしっかり聞けるようにお願いしておりますので、その辺は三役の皆さん、よろしくお願いします。 それで、続きまして、ちょっと確認調査の重要性という部分をお話しさせていただいたんですけれども、それが調査の中では重要であるということは御理解いただけたところかなと思うんですけれども、ここで確認調査をした後で、重要遺構である、重要遺構ではない二次調査の部分ですね、それが判断がされた後で、そこで出てきた遺構について、調査に基づいて遺跡の取り扱いについての協議が行われるという手順になっているかと思います。 これが重要遺構ではないという見解が仮に出された場合、それだと一次調査で出てきた重要遺構の部分をどう取り扱うかというのを協議して、工事着工へと進んでいくことは考えられますし、それは容易な手順かなと思います。 ただ、私が気にしているのは、一次調査の時点でも既に重要遺構が発見されているという部分です。これを踏まえますと、二次調査でも重要遺構が出てくる可能性というのはすごく、大いにあるのではないかなというふうに思えるんです。 ですので、自分の立場をここではっきりと打ち出しますと、私は今の時点から記録保存目的の調査ではなくて、保存を主目的とした調査に切りかえていったほうがいいのではないかというふうに考えています。一次調査の段階で、先ほど冒頭の説明でも申し上げたとおり、大変に重要であるということは、もう御理解いただけているのかなというふうに思いますので、この遺跡を大事に守って、後世に伝えるために整備していくことが私は新宮市のこれからのまちづくりにとってとても意味のあることだと考えています。 保存目的の調査、遺跡を適切に保存して、将来の活用までを想定に入れた調査というものと、記録保存の調査というのは、その目的からして調査方法もやはり違います。保存と活用目的の調査というのは、歴史的な遺跡の位置づけ、それから価値というものを明確にして遺跡を保存活用していく上での基礎的な資料を得ることを目的にしています。それを目的にすることによって、調査範囲は極力小さくするということ。そして、遺跡の現状変更を最小限に抑えた調査を行うというやり方になります。 しかし、記録保存の調査だと、開発事業との調整の結果、現状保存を図ることができないと判断されてしまった部分に関しては、その内容を記録としてしか残していけません。その違いは先ほど表2でも説明させていただいたとおりです。 少し繰り返しにはなりますが、その場合は遺跡自体をそのまま保存していくということは考えられておりませんので、遺跡そのものは残らないというふうになってしまいます。現地現状保存というのをしっかりと考えていくのであれば、遺跡は残って、活用方法も検討していくことができます。それを念頭に置いて、保存目的の調査を行うことと、記録保存の調査を行うということが、やはり目的も違う、やり方も違うということは御理解いただけているのではないかなと思います。 私は、先ほど現地現状保存を行うべきだという立場に自分がいるというふうに言いました。それは、私個人の単なる意思表示、意見の表明であるということではありません。文化庁の諮問機関がありまして、ちょっと名前が長いんですが、埋蔵文化財発掘調査体制等の整備充実に関する調査研究委員会という諮問機関がありまして、そこが平成19年2月に取りまとめた埋蔵文化財の保存と活用という報告があります。この中で、埋蔵文化財行政は、埋蔵文化財の所在や内容を把握し、その価値に応じて適切に保存することが基本であり、土地に埋蔵された状態のまま将来に伝えていく現状保存を第一とすべきという見解を示しています。 私は、新宮市の文化財行政、文化政策という面において、ホールの重要性、図書館の重要性ということも理解していますし、必要なものであるというところにももちろん納得しているんですけれども、やはりそこには3月の一般質問でも御指摘させていただいたように、より文化財行政のほうも力を入れていっていただきたいというふうに思っています。この見解をもとにして、国史跡指定レベルではないか、新宮の歴史上にとっても重要な遺構ではないかというふうに言われている新宮城下町の遺跡ですので、私はやっぱりこの見解にのっとって現状保存をしていくべきではないかというふうに思っています。 現状保存をしていくためにも、保存目的の調査に切りかえていくということは必要だと考えています。そして、切りかえた暁には次の工程として、私のまちづくりという観点においての次の考えは、遺跡を遺跡公園としてしっかりと整備していくことによって新宮城との一体的な歴史的な景観をつくっていく、そういう選択をしていくべきではないかというふうに考えています。新宮城も国の史跡指定を受けているはずですし、そこにもう一つ国の史跡指定を受けた場所がふえるということであれば、そこに一体的な景観が生まれることによって、より新宮市の歴史文化を大事にしているという姿勢がまちの中にはっきりとあらわれてくるのではないかというふうに思います。 ○副議長(田花操君)  北村議員、休憩を挟みたいんですけど、よろしいですか。 ◆1番(北村奈七海君)  はい。 ○副議長(田花操君)  質問中でありますが、15分間程度休憩いたします。 △休憩 午後2時01分--------------------------------------- △再開 午後2時14分 ○副議長(田花操君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続けます。 1番、北村議員。 ◆1番(北村奈七海君) (登壇) それでは、続けて一般質問をさせていただきます。 今まで、確認調査が重要であるというお話と、保存を目的とした調査に切りかえていくべきではないかという話をさせていただいたんですけれども、担当課長にお聞きしたいんですが、今までの話を聞いた中で担当課長の御見解はいかがでしょうか。 ◎文化振興課長(畑尻賢三君)  文化財保護の観点から積極的な御提言ありがとうございます。 そういった中で、私ども、その重要な遺構に配慮した上で、どのようにその保存協議を調えていくかという中で進めてまいりたいということでございます。確認調査イコール保存協議のための手段でもあります。そういったことから効率的、効果的な調査方法として行いたいというところでございます。また、議員御提言の次のステップとしての保存活用を生かしたあり方というのは、また今後の話なのかなと考えております。 現時点では文化複合施設に関する特別委員会を設置いただいたところでもありますし、こちらから積極的に資料提供、あるいは方針を示した上で御議論いただきたいというふうに考えています。 ◆1番(北村奈七海君)  ありがとうございます。 特別委員会ができたというのはそのとおりですので、そちらでもしっかり議論していけたらと思います。ありがとうございます。 それでは、課長からそういった方針がお聞きできたので、ちょっと次の質問をさせていただきます。 実は、もう一つ、遺跡以外に大きな問題というのがあると私は考えています。それは今回の発掘調査で出てきた出土品をどうしていくのかという問題です。今回見つかった出土品は、その数として、ちょっとどれぐらいあるのか把握できてないんですけれども、数としてはどれぐらいあって、それをどういった形で保管していくということが考えられていますでしょうか。 というのも、こういった出土品を新たに収蔵するためのキャパシティーが新宮市内にはほとんどないということは、3月の一般質問でも御指摘させていただいたとおりです。ですので、ちょっと教育長にこれはお尋ねしたいんですけども、3月に御答弁いただいたときに、市内で収蔵庫として利用可能な施設、遊休施設、そういったものを活用できればというふうにお話しいただいたかと思うんですけども、今回の出土品の数ですとか、どうやって保管していくのかというところとあわせて、その遊休施設というのは見つかっていますでしょうか。お願いします。 ◎教育長(楠本秀一君)  今のところ3月議会で答弁したように、公共施設の有効利用のいい場所というのはまだ見つかっておりません。担当から聞いておりますのは、今回の出土品については、当面、歴史民俗資料館に保管するというふうに聞いております。その作業も今しておるというふうに聞いております。 ◆1番(北村奈七海君)  ありがとうございます。 今、御答弁の中で、歴史民俗資料館にということだったんですけども、歴史民俗資料館のキャパシティーというのは、3月の議会の中でも指摘させていただいたとおり、やっぱり収容力不足というふうに認識しています。それはもともと熊野学センターでは500平米ほど欲しいと言われていた収蔵庫に対して、今の資料を入れているところが、ちょっと記憶が定かではないんですけど、100か200平米にもまだ満たっていないというところから不十分であるというふうに指摘させていただいたと思います。ですので、この遺跡の出土品、この処遇をどうしていくかということも、新宮市の文化政策にとってはとても重要な問題点になってくるかなというふうに思っています。 それで、私が御提案したいのは、批判もあるかもしれませんが、提案したいのは、1回見送りになってしまった熊野学センターを復活させたほうがいいのではないかということです。何でかといいますと、3月議会で申し上げたとおり、この新宮という場所に熊野学センターがある、その意味はとても重要だと思っています。市長も3棟から2棟に変えるという決断をされたときに、正直、私はもったいないというふうに思いましたし、ちょっと削る部分が違ったんではないかなというふうに思っているんです。 熊野学センターを復活させるメリットというのが、私は三つあると思っています。一つ目は、しっかりした収蔵機能がちゃんと確保できるということです。もう一つは、観光客の誘客です。誘致といったにぎわいを取り戻すという文化複合施設建設の当初の目的が取り戻せるというものです。そして最後の一つ、それは新宮城下町遺跡、そして新宮城という二つの文化遺産に囲まれている立地で、足を伸ばせば速玉大社または阿須賀神社、それから徐福公園といった新宮に足を運んでいただくべき施設の取り合わせの中で、新宮の文化の中心拠点施設として熊野学の研究拠点ができるという、その三つのメリットがあると思っています。 ですので、遺跡を整備して、新宮城を整備していく中で、熊野学センターをつくって資料を収集、保存し、調査研究を行って、その成果をアーカイブ、蓄積していくことによって、市民生活をますます発展させていくことに役立てるというのが十分に可能だと思っています。しかし、熊野学センターだけを整備するということでは、では図書館とホールはどうするんだという話が必ずセットでついてきます。 ただ、先にちょっと確認させていただきたいんですけども、市長はそのホールと図書館、特にホールを建てるということに関して、並々ならぬ情熱があると私はすごく感じてるんですけど、市長がホールをどうしても建てたいという理由というのは、どういった部分にあるんでしょうか。 ◎市長(田岡実千年君)  今回、市民会館、この3月をもって閉館しております。そういう中で新宮市民初め、この紀伊半島南の中心的な都市として、周辺の方々もこれまで市民会館を利用してくださっておりました。いろんな発表をしたり、またプロのコンサートをやったり、さまざまな文化活動の拠点としてこれまで市民会館を使ってきたわけであります。そういう中で、どうしてもそのかわりのものが必要であります。そういう中で、なるべく早くスピードアップして完成を目指したいというふうに思っております。 ◆1番(北村奈七海君)  はい、わかりました。今までもそういった利用をされている方たちがおられて、これからも文化の振興という意味で施設を使っていってほしいということだと思うんですけども、そこでやっぱりしっかりと持っておいたほうがいいなと思うのは、それはホールなり図書館なり、自分が今申し上げた熊野学センターなり、これらをつくることで市民の方にどういう効果をもたらしていくかということをしっかり持っているということがとっても大事かなと思います。 今、市長が言われたことは、確かに大事な点かなと思います。ただ、結局自分がお伝えしたいのは、市政における政策の目的と財政というのは、車の両輪であるということです。3月の一般質問でも申し上げましたが、財政というのは市が行いたい、行うべき事業を裏づけして支えていくためのお金やと思っています。ですので、そのお金がしっかりと機能するためには、そのもう一つの車輪である政策理念が、しっかりしたものが必要だというふうに思います。 私は、ホールも図書館もどちらも大事だと思っています。それは、その目的の中に、究極的には人を育てていくという理念が根底にあるからだと思っています。それでホールも図書館も大事だと思っているからこそ、そして同時に遺跡も大事だと思っているからこそ、余り仮定的な話をするのはよくないかもしれませんが、仮に旧丹鶴小学校跡地に文化複合施設が建てられなくなったらどうするのかというところを不安に思っています。そういう不安というのは、市長はお持ちではないですか。
    ◎市長(田岡実千年君)  不安というより、先ほどから申し上げてますように、どこへどうやってホールと図書館を建てていこうかということが大変大事であって、今それの実現に向けていろいろな条件をクリアしながら、今のこの重要遺構も配慮しながらやっていかなければならない。特に不安ということではなくて、いろいろしっかりと考えていきたいというところでございます。 ◆1番(北村奈七海君)  ありがとうございます。 ちょっと気になったのが、どこにどう建てていくのかということが課題やということなんですけども、どこにどう建てていくのかというのは、設計変更を行って、今予定されている予定地内でどう建てていくのかということなのか、それとも市内全体を見てどこにどう建てていくのかというところと、ちょっとどっちにもとれるかなと思ったんですけれども、その点はどんなふうに考えられてますか。 ◎市長(田岡実千年君)  これから二次調査を行っていくわけであります。その途中で方針を決定できるかなというふうに思っておりまして、今、そのことについては明確に答えることはできません。 ◆1番(北村奈七海君)  はい、わかりました。 今、明確にお答えいただけないということだったんですけれども、二次調査の中で、もしかしたら予定を変更するかもしれないというのは、やはり持っておくべき想定かなと私は思います。それは二次調査の中で本当にはっきりと残しておくべきだという評価が遺跡になされたときに、ではホール、図書館をどうしていこうというのをそのときに考え始めてしまったら手おくれになりかねないからです。 新宮市内に広い土地がないということはもちろんわかっています。しかし、使える土地がほかに見当たらないという理由で、貴重な遺跡を破壊してしまって、文化複合施設を建てていくべきなんでしょうか。私はそれこそ文化奏でる都市という市が標榜している言葉が泣いてしまうと思います。 今、市長にはちょっとその点をお伺いしたんですけども、教育長はどういうふうに考えておられますか。その遺跡の重要性というのは御発言の中でももう十分に御認識されていると思いますので、そういった代替案というか、もしものときのために想定を持っておくという部分についてはどんなふうに思われますか。 ◎教育長(楠本秀一君)  それは、腹案として持っておくのは大事なことかなと思いますが、まずは、私どもは、この遺構調査のできるのも都市再構築戦略事業に採択されたという大前提でありますので、このストーリーが壊れないように、文化複合施設の建設とこの遺構の保存を両立させていかなければならない。その辺のことを県教育委員会とも十分話し合いしたいなと思っております。 ◆1番(北村奈七海君)  はい、ありがとうございます。 やっぱり腹案を持っておくというのは、いざというときに慌てないためにも大変大事かなというふうに思います。もちろん都市再構築戦略事業の中で採択されているから、今の事業が可能になっているというところは、考えから外せない部分ではありますので、そこは念頭に置いておかないといけないと思います。 ただ、自分が腹案として考えるのであれば、新宮市の代替地となるべき土地というのは、そんなにたくさんはないかなと思っています。例えば、特にホールを建設するということを考えるのであれば、旧莱小学校の跡地もしくは広角用地もしくは市民会館跡地といったぐらいにしか集約できないのではないかと思っています。こういった土地の所在と、都市再構築戦略事業のお金が利用できるということを総合的に考えたら、そのときにおのずと答えは見えてくるように思います。 仮定の話を余り深刻に考えるのは不謹慎かもしれませんが、遺跡の保存ということをちょっと自分の立場としてとても重要視しているので、こういったことをぜひ考えていただきたいと思います。教育長は腹案として持っておくのはいいことやというふうに言われたので、そこはぜひ特別委員会の中でもちょっと話をさせていただけたらいいのかなというふうに思います。 それで、今自分が熊野学センターを復活させたほうがいいのではないかという話をしたので、私が文化政策であればどんどんお金を突っ込んでいったらよいのではないかというふうに誤解を招いていたら、それは違います。それは違う。なぜかというと、やはり何が新宮市にとって一番いい選択かということを考えるときに、前提として持っておかなければいけないのは、財政的な面から熊野学センターは見送りになってしまったという事実やと思います。 ただ、熊野学センターをもう一度考えるということは、先ほど申し上げたように三つメリットがありますし、将来に対してどういうものを残せるかということを考えたときに、その期待される役割、そして機能を十分に果たしていける施設になり得るだろうと私は思っているから提案させていただきました。それも何も大きな施設、立派なものを建てるべきというのではありません。基本設計で大まかな図面はできていましたが、もっと施設の機能をコンパクトにする、もしくは市にある既存の施設をリノベーションする、そういった形でイニシャルコストやランニングコストが少なく済むように考えていく必要というのは、市の財政上、当然あると思います。 ですので、私は今の新宮市の身の丈に合った、小規模であっても中身のある質の高い施設をコンセプトと財源の両輪、それをしっかり根拠として持った上でつくっていくべきではないかと考えています。 ホールも今の設計どおりいけばいいんですが、熊野学センターを見直したという状況の中でも、実施設計を終えて実際につくり始めるころには、最初の想定価格55億円を超えてしまうのではないかというふうにも、そこは今の議論の中で、なかなかまだもう一度議論されにくいところではありますが、そこの不安というのはまだ残っている部分だと思っています。ですので、熊野学センターであり図書館であり、そしてホールという文化施設のあり方を検討していく中で、遺跡が発見されたことをきっかけにして、どういう施設のあり方がこれからの新宮市にとってはふさわしいのかということを、市長御自身でしっかりと考えていただきたいと思います。 この話の中で、問題になっていくのは、市長はこの新宮市をどういうまちにしていきたいのかという本当に大きな理念の部分やと思うんです。ですので、市長にどういう理念を持っておられるか、今後の市の10年もしくは20年という先のことに関しても、どんな理念を持っておられるかというのをちょっとお聞きできたらと思うんですけども、市長は文化政策ということが、今、大きな課題になっている中で、どんな理念を持って10年、20年先の新宮市、どういうふうになっていったらいいと思っておられますか。 ◎市長(田岡実千年君)  新宮市は自然、歴史、文化が大変豊富で、またまちもきれいでして、大変すばらしいまちでございます。そういう中、これから少子高齢化の中でいろんな課題が出てくる中で、市民みんなが支え合って心豊かなまちにしていきたいなと、そういうことを根本的な理念として持ってございます。 先ほどから北村議員がこの文化をどう考えるかということも聞いてくださってると思うんですが、新宮市には貴重な文化遺産も多く、また現在も文化複合施設建設をめぐる議論が積極的に行われているところであります。当然、文化というのは今後の新宮市にとりましても非常に重要な施策の柱の一つとして認識をしております。そういうことでございます。 ◆1番(北村奈七海君)  ありがとうございます。 そうですね。文化と歴史というのは、自分が新宮に越してきてから、そのまちを歩いている中でも十分に感じさせてもらっているところでもありますし、何よりも私としては、これからも文化奏でる都市というものを標榜していったら、新宮市がさらにおもしろいまちになっていくのではないかなというふうに思っています。 今、市長はその文化というのも大事やというふうに言われたんですけども、それは、最初にもちょっと申し上げましたが、今がその総合計画をつくっていく前段の前段の年であるということと離して考えるわけにはいかないと思うんです。 ですので、ちょっと質問を絞るとすれば、文化奏でる都市をこれからも続けていくのか、それともここで一区切りつけて違う方針で進んでいくのかということは、今しっかりと考えておかねばならない部分かと思うんですが、その点はどういうふうに考えておられますか。 ◎市長(田岡実千年君)  先ほど申し上げましたように、当然、文化というものは非常に大切な、新宮市にとっては今後も大切な施策であります。今年度から次期の総合計画を策定する準備にも入っておりますが、この人輝き文化奏でる都市、今、これまでの理念として標榜しております。このことについては、次の総合計画においてはどういう位置づけにするかという具体的な議論にはまだ至っておりませんが、市として文化を重要視する考えに変わりはないということでございます。 ◆1番(北村奈七海君)  ありがとうございます。 今、市長から文化を重要視する姿勢に変わりはないということだったので、これからも新宮市は歴史と文化というものをしっかりと重視していく、そういう方針でいっていただけるということですので、私はそれにすごく期待したいと思いますし、自分でも協力できるところはしっかりと協力していきたいと思っています。 市長の理念をお聞きした中で、私は新宮市というところが歴史と文化というのを下敷きにして皆さん生活されてきた場所やというのは、それは文献を読んでもわかりますし、生活の中で歴史的な建造物ですとか出来事にあったりとかして、とてもおもしろい場所だなというふうに思っています。それを自分だけではなくて、やっぱり子供にも学んでほしい、身近に感じてほしいと思いますし、大人ももちろん、新宮市にはこんなおもしろい場所がまだまだあったんやということを毎日、日々の生活の中で感じていけるような暮らしをしていってもらえたらとてもいいんじゃないかなというふうに思います。 それはやっぱりその歴史と文化があるからということだと思うんですけども、この文化というものを続けていくというところの試金石になるのが、私はやっぱりこの遺跡の取り扱いをどのようにしていくかという部分だと思っています。というのは、この遺跡をどうやって取り扱っていくのかという過程において、それからどういうふうに決断しましたという、その結論において、市長が新宮市の文化のことをどういうふうに考えているのかということが、結果的に態度としてあらわれてくるからだというふうに思います。 自分がずっと申し上げてきたのは、やはり遺跡というのはこの新宮市にとって大変重要な発見であるということが前提にありますので、まずは確認調査をしていただくということはもちろんなんですが、保存目的の調査に切りかえていくということを念頭に置いていただきたい。そして、熊野学センターという収蔵の機能、そして文化の発信拠点になり得るような建物も考えていくというところ、今回の自分の一般質問の主眼なんですけれども、その点をちょっと総合的に、今までのお話を聞いていただいて、市長としてはどういった御見解を最後に持たれたでしょうか。 ◎市長(田岡実千年君)  北村議員が今回、建設予定地から出土したこの遺構等について大変重要だという御認識、これを今後も新宮のまちづくりにもぜひ生かしていくべきだという思いは大変よくわかりました。我々も遺構に配慮して、ただ、ホール、図書館というのは市民の生活にとってなくてはならない施設でございますので、どういった形で建設していくか、余りこれゆっくりできない状況にもありますので、今回、特別委員会も設置していただきましたので、そこでもしっかり議論させていただきながら早く結論を出せるようにしていきたいなと思ってございます。 ○副議長(田花操君)  北村議員、予定の時間が迫ってまいりました。 ◆1番(北村奈七海君)  わかりました。 それでは、ちょっとまとめに入りたいと思います。 自分の立場からしたら、市長にお願いしたいのは、後世の人からも、今、市に住んでいる人からも、文化としての遺跡を歴史の蓄積、具現化されたものとしての遺跡を残せなかったというふうに言われてしまうことのないように、やっぱり最終的な判断は市が行う、市長が行うというところはもう十分御理解いただいてると思うので、そこの判断に至る根拠をしっかりと示していただいて、最終的な結論を市民の方、そして議会に説明していただきたいと思いますのでお願いいたします。 私も意見をこうではないか、ああではないかというふうに言うだけではなくて、例えば財政的な根拠はここにあるとか、こういったものが使えるのではないかとか、学術的な根拠はここにあると思うということを、自分の協力できるところはしっかりと協力して、市と一丸となって文化奏でる都市というものを実現していけたらいいというふうに思いますので、その点は市の文化政策がより花開いていくように努力をさせていただきたいと思います。 以上で一般質問を終わります。 ○副議長(田花操君)  次の通告のあれは次回へ持ち越しでいいんですか。 ◆1番(北村奈七海君)  はい、すみませんが、次回にしたいと思います。 ○副議長(田花操君)  はい。 それでは、一般質問を続けます。--------------------------------------- △並河哲次君 ○副議長(田花操君)  2番、並河議員。 ◆2番(並河哲次君) (登壇) それでは、6月議会の一般質問を始めさせていただきます。通告に従って質問させていただきます。お手元に配付の資料については適宜御参照いただくようにお願いしますので、よろしくお願いします。 では、まず一つ目に、政策決定は誰の手に、文化複合施設と遺跡についてということで質問をさせていただきます。 先ほど北村議員のほうから遺跡の保存、活用を中心とした質問がありましたが、私のほうからは、この遺跡はもちろんですが、図書館、ホール含め事業全体のこれからの進め方に関する質問をさせていただきます。現実的にどう進めていくか非常に難しい中で、どう進めていくかという前向きな議論ということでしっかりとお話をしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。 まず、最初に確認をしておきたいんですけども、この文化複合施設の設計と遺跡発掘の兼ね合いというところが非常に難しくなっていると思いまして、そのスケジュールについて、先ほどの御答弁からもなかなか今は答えかねるというところだったと思うんですけども、私が把握してる範囲で、昨年の11月に教育民生委員会で配られた複合施設の整備スケジュールの中で、一応この平成28年8月から8カ月間、二次の発掘調査というものが予定されていまして、その後に平成29年度に入ってすぐに工事を2年間開始し、平成30年度で工事を終わり、平成31年度の初頭にオープンするというようなスケジュールでした。 しかし、今回この二次調査がはっきりとはしないにしろ、大体13カ月ぐらいかかりそうだということですので、この平成28年度いっぱいで終える予定だった発掘調査というのが、これが8カ月というふうに予定されていましたので、プラス5カ月となっていくと、平成29年度の中に5カ月ずれ込んで、最低でもずれ込んで、そこに、ただしまた基本設計の見直しから実施設計というものが入ってきますので、さらに5カ月以上ずれ込んできて、この工事期間が間違いなく平成31年度の中に5カ月以上ずれ込むということは半年以上は入り込んでくるという、最低そのぐらいずれ込むというイメージは当局として持たれているのかなと思うんですけども、そのあたりのそういった認識ということでよろしいでしょうか。いかがでしょう。 ◎文化振興課長(畑尻賢三君)  今後の国の交付金の動向というのもございますけれども、スケジュール上は13カ月と想定した場合にはそういうふうになると予想しております。 ◆2番(並河哲次君)  1点だけ気になってますのが、この発掘調査に関してなんですけども、13カ月ということで一応その取り壊しの事業も含んでということなんですけども、今もう6月に入って、それこそ雨が降っていると思うんですけども、この辺、例えば9月、10月とかもまだまだこの辺の地域やと雨は降るかなと思うんですけども、雨と発掘調査というところも踏まえた中での13カ月ということでの理解でよろしいですか。 ◎文化振興課長(畑尻賢三君)  どれだけ雨が降るかという期間というのはなかなか予測しづらいんですけれども、そういったことも踏まえて13カ月、スムーズにいけばといったところでございます。 ◆2番(並河哲次君)  わかりました。 それから、引き続き設計と調査の兼ね合いなんですが、先ほど市長のほうから今後ホール、図書館を建てていく場所というのも、議会の2日目の質疑の中でも、できれば現地で建てたいと考えておられるということだったんですけども、今後の成り行きによってはいろいろ考えないといけないということで、また先ほどの北村議員の質問の中でも、二次調査の中ではっきりしてくるかなという御認識ということなんですけども、その点でさらに確認したい点が、ただし遺跡に配慮して建てないといけないということははっきりしているのかなと思うんですけども、その場合に単純に考えると、基本設計をかなり大幅に見直すことになる、そうしないといけないとかではなくて、もう現状、今の重要遺構が出てきてるという現状の中で、基本設計を大幅に見直すことになるのではないかというふうに思うんですけども、その辺りの市長の御認識はいかがですか。 ◎市長(田岡実千年君)  その可能性も否めませんが、ただ、今、設計者に今の基本設計どおりに遺構に配慮して建てる方法はないかというのはちょっとお願いしております。まだそこ、ちょっと返事が来ておりませんので、ちょっとまだ今のところお答えしづらい状況でございます。 ◆2番(並河哲次君)  わかりました。そのあたり結構以前の教育民生委員会の中でも、そういうふうにお話があったと思うんですけれども、実際問題、設計士にはそういった今回想定以上のまた設計を今お願いしてる、想定してなかった部分の設計作業というかお願いしてるところなのかなと思うんですけども、そのあたり実際にお金の部分とかはどのようになっているのかと、言われているのかというあたりと、あと実際にじゃあ見直せる設計というのが、お願いしてからしばらくたってると思うんですけども、出てくる、出せるんですか。その配慮した形で問題ない設計というのが出せるんでしょうか。今どのような状態でしょうか。 ◎文化振興課長(畑尻賢三君)  詳細な設計案ということではなくて、そういった配慮に基づく設計の検討案ができないかということでお願いしております。間もなく出されるものと思っておりますが、詳細な基本設計とかそういったことではなくて、さまざまな可能性を秘めた検討案をいただきたいというふうにお願いしております。 ◆2番(並河哲次君)  その中で、やはりまた、今は一次調査の結果を踏まえての、その設計を見直していただいているということだったんですけども、その辺は基本設計を今とめているという話も同時にあったと思うんですけども、基本設計としてはとめていただいて、遺構の配慮の部分だけを考えていただいてるという形なんですかね、要するに。そういうことの理解でいいんですか。 ◎文化振興課長(畑尻賢三君)  そのとおりでございます。遺構に配慮した結果、今の基本設計を進めて、それがどうなるかというところもございますので、今は市長、先日申されましたように、2棟案の部分はとめているという表現をされましたが、そういった中で遺構に配慮して、今御指摘のありました二次調査範囲の分も含めて、どういうふうな設計の配慮ができるかという検討案もお願いしているところでございます。 ◆2番(並河哲次君)  その二次調査も含めての検討案ということなんですけども、二次調査としてはどういうふうに、重要な遺構がどの部分に出てくるかははっきりしないという中では、どうやって検討をしていくという形になっているんですかね。今検討ができるんですか、それは。 ◎文化振興課長(畑尻賢三君)  例えばですけれども、全面を、その敷地を保護するというような方法、あるいはそこの一部分を配慮したような設計ができないかというようなさまざまな検討を行っております。当然、そのことによるコストも考えなければなりませんので、そういったこともお願いしているというところです。 ◆2番(並河哲次君)  はい、わかりました。やはり調査がまだ今後という中では、それを本当にどういうふうによけていけるのかとかはなかなか今、それをやってくれと言ってはみるものの、実際に本当に使えるものができるとはやっぱり言えないのかなと思うんですけども、先ほど教育長が県の教育委員会のほうからも遺構の取り扱いへの通知が来ているということでお話があったんですけども、教育長の認識としては、この基本設計を遺構に配慮して建てるとなったときに、今の基本設計、2棟案という中での基本設計でいけてしまうのか、それともやっぱり見直さざるを得ないのかというのはどのような感触ですか、県とのやりとりの中で。 ◎教育長(楠本秀一君)  まだ具体的に県と私はお話ししてませんが、やっぱり設計者に今指示しておりますので、その内容を、課長が言いましたように、例えば大きくあそこは今の予定ですとホールの敷地の予定地になるわけですけども、それが多分最大限もし建つとしたら現地保存という形になってこようかと、あるいは一部公開できるような有田川町のような施設、そういったものとかいろいろありますけども、そういった案がどんなふうに設計者から出てくるのか、それを待ちたいと思ってます。 ◆2番(並河哲次君)  わかりました。その設計者から待つということと、ただし発掘作業をしていく期間がありますので、先ほどその確認調査ということも含めればもしかしたら早まるかもしれないですけども、結局今のところ、どのぐらいじゃあ設計完了までにかかりそうかというのははっきり見えていないのかなというふうには思います。 そこで、今、都市再構築戦略事業というのがこの文化複合施設の事業をしていくに当たって、市の財政的にも非常に重要になってきているということなんですけども、今のところその延長をお願いしに行きたいということで、1年の延長をお願いしに行きたいということでの答弁がこれまでにあったと思うんですけども、これは今、実際に13カ月で終えて、でもそこに基本設計、実施設計も含んでいく中で、もう簡単に1年は経過し得るのかなと、プラス1年というのは簡単に可能性としては十分たってしまうのかなと思うんですけども、この延長をお願いするというのは1年でよいというふうに市長は考えられてるということですかね。その1年というところの根拠もあればあわせてお願いします。 ◎市長(田岡実千年君)  1年の延長をお願いしたいと思っております。第二次発掘調査、13カ月かかるわけでありまして、来年の今ごろといいますか、来年の夏に発掘調査が終わって、それからまた建設工事にかかってという大ざっぱなタイムスケジュールを今は想定してございます。 ◆2番(並河哲次君)  わかりました。発掘調査を終えた後に建てることに取りかかってという大ざっぱな部分ということなんですけども、やはりここも、確かに僕も延長は大切だと思います。なので、その延長をいかにするかという話を今からしたいんですけども、大ざっぱな計算でいってしまうのはよくないかなと。できる限り見きわめて、わからない中でも見きわめていかないといけないかなと思ってます。 もっと必要ではないかという僕の認識なんですけども、その理由としては、まずこの複合施設、現在に至るまでに、まず基本計画の検討委員会、計画づくり、複合施設をいかにつくるかというものを1年1カ月、17回の会議を経ています。そして、その後に基本設計の検討委員会、つい最近まであったもの、これが7カ月の期間、8回の会議を経てきています。もちろんこの基本設計の検討委員会と並行なんですけども、基本設計に当初の予定9カ月プラスこういうふうに見直しなどになってきたので3カ月かかっている。そしてこの後、基本設計終わった後に実施設計として8カ月を予定してるということで、基本計画をつくり始めてから実施設計が終わるというところまでに3年弱の想定をしていたんですね。既に終わった部分も含めて3年弱を想定していたんですね。今回、どういう変更を迫られるかというところがまだ確かにわからないですけれども、やはり先ほどの北村議員からのお話の中で、有識者の意見、そして新宮市の実際に教育委員会の出されている意見、県の文化遺産課の、この間、実は直接行ってお話を伺ってきたんですけども、やはり認識というところを考えると、基本設計を大幅に見直していかざるを得ない状態にはなっていくだろうというふうに思っています。そうなると、少なく見積もったとしても基本計画は何とかその計画の部分をなるべく取り入れる形でやったとしても、基本設計から大きく見直していくとなれば、最短でもこれ、実際に基本設計と実施設計を合わせたら17カ月というところで、単純に9カ月足す8カ月をしてるんですけども、1年半ぐらいかかるということになるんですよ。もちろんこれまでにしていただいてる設計もあると思うんで、全てが全て、例えば17カ月かかるとは言えないかもしれませんが、やはり大きな変更というふうになってくると、またこれまでのやっぱり基本設計の検討委員会に携わっていただいてた、実際に専門家としてかかわっていただいてた方にも御意見いただきながらつくってきたものなので、そのあたり本当によいものになるのかというところでの意見を聞く必要も、大きく変わってしまう中では出てくるのかなと思います。 そうすると、この基本設計や実施設計をしっかりとやはりやっていかなければいけないというところを考えると、それはまた恐らく発掘調査13カ月の、それは途中からでも始めたいということにはなると思うんですけれども、ただ、じゃあ単純に発掘調査が終わってからすぐに工事に取りかかれる状態に持っていけるかというと、また紙の上でも書いてしっかり確認していただけたらと思うんですけども、この1年の延長だけで実際にいけるかというと、かなり難しいのではないかというふうに思うんですけども、実際に基本設計や実施設計の部分から考えたときに今のような形になるんですけども、1年でどうですか、いけますか、市長。 ◎市長(田岡実千年君)  さっき説明の仕方が悪かって、二次調査が終わったすぐ後に建設できるようにとられてたら、ちょっと違うかな、もうちょっとずれるかなとは思います。並河議員御指摘のように、大変タイトな、1年の延長だけでは結構厳しいスケジュールにはなるとは思うんですけど、ただ、いろんなことを考えると、やはり2年延長とかになってきたらちょっといろいろ難しい面も出てきそうな感じも受けております。そういう中で、今回3月にもう閉館しておりますので、そういったところも余り後ろにずらすのも市民生活にも影響がありますので、何とか1年延長の中で完成させていきたいということでございます。 ◆2番(並河哲次君)  市長も1年なかなか難しいかもしれない中で、今後の影響も考えて、逆にそこに今おさめたいという思いかなと思うんですけども、やはりそこで同時に、僕が非常に気をつけないといけないと思うのは、この遺跡の話が出てくる中で、これまで、どっちかというと、それこそ教育民生委員会の中でも財政的な部分の話と、ホールとか図書館をそもそもどういう目的、政策理念や目的で建てていくのか、どういう効果を市民の方に与えていくのかというところを議論していかなければいけないという話をしてたんですけども、それがどんと吹き飛んでしまっている状態なんです。 本当に1年延ばす中でできればいいんですけども、じゃあその中で本当にいい、それこそホールとかいい図書館の話が見直しの設計も含めてできていくのかというところがすごく危険なのではないかなと。本当に箱づくりになるという、もうとりあえず建物を何とかというところになってしまう危険があるかなと思っています。それでは本当に何のために何十億円というお金をかけてというところになってしまうので、そこですごくいても立ってもいられなくなりましたので、国とか県に問い合わせてみたんです。実際、1年じゃなくて2年とか3年の延長ってできないんですかと問い合わせてみたんですけども、そしたら、国に聞いたら県の都市政策課が担当になっているので、そこに話を聞いてみてくださいと言われたんですけども、そこで聞きますと、今お手元に配らせていただいてるんですけども、これが都市再構築戦略事業をとっている根拠となっているものです。市が提出している都市再生整備計画。ちょっと表紙だけにしてるんですけども、中は何枚もあるんですけども、この都市再生整備計画が5カ年、平成26年から平成30年の5カ年ということで、この都市再構築戦略事業が、今、市として進められているというところです。 これが方法として2期の計画にする。要するに第1期と第2期というふうに、それができるかどうかというのは、認められるかどうかというのは別にして、計画として2期の計画期間をもって、なので大体この都市再生整備計画の期間自体は3年から5年ということなので、例えば1期目で今、新宮市は5年としてると思うんですけども、2期計画、2期目の計画ということで、それを3年ないし5年というような形で、2期の計画、第2期の計画というのもすることができると。それは一応、目的、市が今この都市再生整備計画の中で掲げている目的、目標にかなうものであれば、それは考えていくことができるということですので、本当に市としてホール、図書館、それから新たに重要とされてる遺跡が出てきた中で、僕はどちらが大事でどちらが大事じゃないかという変な争いのようなものになってはいけないというふうにすごく思っていまして、その中で考える時間という意味でも、丁寧に計画をつくる時間という意味でも、可能なのであれば、この延長1年でやっていこうというところではなくて、もう少し先を見据えた形で計画を2期にして考えていくというところの選択肢はありなのかなと思うんですけども、このあたりまだこれからの検討にはなると思うんですけども、ぜひ集中的に御検討いただければと思うんですが、市長、いかがでしょう。 ◎市長(田岡実千年君)  いろいろ調べてくださってありがとうございます。 今のところ、そういったことは考えてございません。 それと、先ほど議員、基本設計のやり直しと実施設計で17カ月かかるんじゃないかということをおっしゃってくださっておりましたが、一旦、基本設計はもうでき上がっておりますので、一からではないと思います。そこを仮にちょっと形が変わったとしても、少しといいますか、基本設計の修正になると思っておりまして、そこまで設計に時間がかかるとは、今の時点では想定してございませんので、そういう中で1年延長の中でやっていきたいというふうに今は思ってございます。 ◆2番(並河哲次君)  1年延長だけでということなんですけども、ちょっと市長と僕の認識が違いまして、設計をそんなに簡単に早く変更したりつくったりできるものではないという認識です。というのは、3棟案から実際に2棟案にというときにも、やはりどの機能をじゃあ3棟なくなった部分から2棟に入れていくのかであったりとか、建物のデザイン上からそもそもこっちから建物を見せるつもりだったんだけれども、また別の方向から見せないといけなくなって、その部分も全て変更がかかってくるというような中で、例えば単純に建物の面積が確保されてれば同じ設計でつくれるとか、この部屋を削ろうと決めたらとりあえずその部屋を図面上で削るだけでもう設計は終了するとか、そういったものではないという認識なんですけども、実際どうですか。直接設計者とやりとり、担当課はされてると思うんですけども、そこまで簡単に設計は短期間で変えられるものですか。 ◎文化振興課長(畑尻賢三君)  議員おっしゃられるように3棟から2棟に変えるということが簡単ではないという認識の中で私どもも進めておりますが、なるべく短期間で行えるように努力していきたいと思います。 ◆2番(並河哲次君)  もちろん短期間で努力をというのは、市においても委託されている設計業者においてもそのとおりだと思うんですけども、そもそもそこまでの魔術なようなものでできてるわけではないと思いますので、やっぱり設計者がプロの仕事の中で丁寧につくってきているからこそ、単純にこれだけの時間が、例えば基本設計に9カ月とか実施設計に8カ月とかかるものなのであって、それを本当に、遺跡を保存しないといけないのでここの形をこう変えて、もしくはどうしてもここに建てられなくなったので別の場所を確保したので、同じ面積だから同じデザイン、同じ設計でいいという話ではないと思います。それは本当にそういう認識だとしたら、それがまさに箱づくり、箱だけできればいい、建物だけ建てばいいということになってしまうので、そこは本当に市長には考えをぜひ改めていただきたいところだと思います。そんなに簡単に設計変更を素早くやって、スケジュールとしてもその中におさまっていく。それは希望的な観測であって、実際どうなりそうなのか、市として今後の本当に図書館とかホールの市民へのサービスをどうしていくのか、遺跡をどうやって保存していくのかということを真剣に考えるのであれば、希望的な観測に基づいてスケジュールを立ててやっていくのではなくて、実際にどういうふうになりそうかという、なるべく正確な予測を、見通しを立てた上で、今後の取り組みを考えていかないといけないと思います。 ○副議長(田花操君)  並河議員、ちょっと休憩を挟みたいんですけどね。 ◆2番(並河哲次君)  もうちょっとだけ、すみません、お願いします。 いかがですかね。もし1年で、確かにいければいいんです。いければいいんですけども、結局それをやっていく中で難しくなって、また再延長をお願いしますということになってしまうのであれば、やはりしっかりと丁寧な計画づくり、設計のやり直しが必要であればできる形というのがとれていければいいのかなと思いますが。 ◎企画政策部長(向井雅男君)  今回の都市再構築戦略事業につきましては、多分御存じだと思いますが、中心拠点施設が目玉になっておりまして、その二つの施設を目玉にして構成されてます。その一つが、莱にオープンしました統合保育所です。もう一つの大きなメーンが図書館になってございます。この図書館を大きなメーンとしてこの文化複合施設を形成してる交付金事業が、5年間の計画の中で次の第2期のほうにずらせるかどうかというのは非常に難しいというふうに思います。 今回の延長に限っては、物理的な期間がどうしても平成31年3月に延びてしまうと。延びてしまうことで3カ月、半年とかいう延長というのはあり得ませんので、とりあえず1年度を延長させていただいて、その間になるべく判断していただくと。その中で、どうしても次ということになれば、当然、議員おっしゃるように考える必要はあるのかなというふうには、部としては考えてございますので、その辺は御理解いただきたいと思います。 ◆2番(並河哲次君)  図書館を2期にずらすのは難しいのではないかという話なんですけども、そのあたりもお話をしまして、それも不可能ではないという認識です。ですので、そのあたりしっかりととり得る選択肢として考えていただいて、とりあえず1年延長する、また無理であればとりあえず1年延長するという、そのとりあえずというような表現になるような形のやり方ではなくて、実際に今市がとり得る選択肢として、別に僕は絶対に2期にしてくださいと言ってるわけではなくて、とり得る選択肢としてしっかりと情報を精査して考えて検討してくださいというお話をしてるんですけども、いかがでしょうか、市長。 ◎市長(田岡実千年君)  とりあえずというようなことにならないように、やはりプロの山下設計にも相談して、どれぐらいで基本設計のやり直しと実施設計ができるかといったところもしっかりと協議したいと思います。 ◆2番(並河哲次君)  ありがとうございます。 やはり詳細に、例えば2期の計画というのが実際にどういったルールでできるのかとか、そういったところをまず企画調整課のほうに御確認いただくだけでも、今後またいろいろ考えられるのかなと思うんですけども、そのあたりへの御指示もお願いできたらと思うんですけど、いかがですか。 ◎市長(田岡実千年君)  都市再構築担当の企画調整課と文化複合施設の担当としっかり連携をとって、しっかり進めるよう指示させていただきたいと思います。 ○副議長(田花操君)  質問中ですが、15分間程度休憩いたします。 △休憩 午後3時20分--------------------------------------- △再開 午後3時33分 ○議長(榎本鉄也君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続けます。 2番、並河議員。 ◆2番(並河哲次君) (登壇) 休憩前に続き、質問させていただきます。 文化複合施設と遺跡について、そして、その中で都市再構築戦略事業についてお話をさせていただきました。1期計画、2期計画ということがとり得る選択肢としてあるということで、ぜひ今後、市のほうでもしっかり検討していただきたいと思います。 そして、あと1点だけ、この項目の中で、都市再生整備計画が大きく絡むところだと思うんですけども、この立地適正化計画というものを今、企画調整課のほうで作成していただいて、その立地適正化計画が、そもそもこの都市再構築戦略事業の交付金を受け取るに当たっての必須の計画だというふうにお聞きしております。平成28年度内には、この幾つか定めて提出しなければいけない、都市機能誘導区域というものを定めて提出しないといけないであったり、その中に都市機能誘導施設、先ほど向井部長からもお話ししていただきましたが、図書館がそれに当たるということなんですけども、あとは統合保育所のほうがそれに当たるということなんですけども、これもしっかりと書き込んで提出をしなければいけないというふうになっています。 僕が1点危惧するところが、平成28年度内にこの都市機能誘導施設としての場所、それから、都市機能誘導区域というものを国のほうに提出するわけですね。しかし、つくる場所というのは、最終的に今、この遺跡の調査が進んでいかなければ、どこにどうできるかというものが確定はできないということがあります。なので、この立地適正化計画をこの平成28年度いっぱいに出さないといけないという中で、どうつくるか、どう書き込むかということは、非常にこれから早急に考えていかなければいけないところかと思います。市長、そのあたりの御認識はよろしいですか。 ◎市長(田岡実千年君)  しっかり計画づくりをしていきたいと思います。 ◆2番(並河哲次君)  こちらのほうはもう平成28年度いっぱいということで、待ったなしだと思います。その中で、遺跡を発掘調査する中で、どこにどう複合施設、あるいは、それが同じ場所に建てる面積がもし足りなくなってしまったと、遺跡が入るに当たって足りなくなってしまったとなっては、そうすれば、じゃ、どこに建てるのかという話になってくるんですけども、その建てる場所なども、この立地適正化計画として提出しなければいけないということがあると思います。ですので、急ピッチでこのあたりの議論をして、結論を出していただきたいと思います。また、特別委員会のほうでも、ぜひ議論していきたいと思いますので、よろしくお願いします。 あと2項目出させていただいてますので、文化複合施設と遺跡については、以上で終わらせていただきます。本当に前向きな形で、とれる選択肢をできるだけ精査して取り組んでいけたらと思います。 では次に、組織づくりは適切か、人事採用の方法についてということで、二つ目に挙げさせていただいております。 人事採用、実は昨年の3月にも、和歌山県内でも先進地である有田川町などを取り上げさせていただいて、こういった人事採用の方法はいかがでしょうかというふうにお話しさせていただきました。今回、それに引き続き、新宮市の人事採用の中に具体的な課題が調査の中で見えてきましたので、そこについてお話をさせていただきます。 人事採用というのは、議決の要らない、市長の専権事項、議会は関与できない部分ではあります。しかし、市にとって、本当に市の取り組みを実際に執行していくに当たって、どのような人材に入ってきていただいて取り組んでいくかという、本当に市のかなめとなってくる部分でもあります。これがよい形で行われるということは本当に大事だと思っていますので、その点から質問させていただきます。 新宮市の採用試験は、毎年、大体8月に受け付けを行って、9月の下旬あたりに一次試験、これは教養試験、適性検査ということでペーパーの試験を日本人事試験研究センター、多くの自治体がこれを使っていると思うんですけども、独自のものを進めているところもありますが、多くの自治体がこういった形で一次試験をペーパーで行っています。そして、10月下旬から11月中旬あたりに二次の面接試験と論述試験を行っているということです。そして、今回はこの二次試験に焦点を当ててお話をできればと思います。 まず、昨年の質問の中からも、新宮市は面接重視の採用をしているということで、市長に御答弁いただいてたと思うんですけども、その点は間違いないでしょうか。市長、いかがでしょうか。 ◎市長(田岡実千年君)  そのとおりでございます。 ◆2番(並河哲次君)  新宮市は一次のペーパーと二次の面接、論述という中で、面接試験を重視して、人物本位の採用をやっていきたいということでされてるということです。 この面接の試験は大分長らく続いているんですけども、確かに田岡市長になられた後の採用というのは、平成22年あたりからかなと思うんですけども、大体受験された方の30%から40%台の方が一次試験を通過します。これは、要するに、採用予定の方の大体、市長が去年言われてたのは2倍よりはもうちょっと3倍近いぐらいの方を一次試験で通過させて、面接重視の採用を行いたいということで、ここ3年ですと、一次試験の通過者が、平成25年で42%、平成26年で47.7%、平成27年、昨年で45.4%、要するに半分近い受験者の方が一次試験を通過することになります。そして、二次の面接、論述に臨むということです。一次試験の結果はリセットした状態で二次試験ということですので、一次試験の点数の高い低いにかかわらず、この一次試験通過者の半分の方は平等なスタートラインから二次試験に立つというふうに理解しています。そして、これが今の新宮市の面接の形態、面接に臨まれる方の割合というところです。 そして、二次試験では面接と論述という形があるということです。面接は、市長、副市長、教育長、総務部長及び総務課長、そして民間の委員の3名に入っていただいているということで、合計8名の方で行われている。また、専門職の場合は、消防であれば、消防長なども入られて行われるということです。そして、面接の時間は50分前後で、集団面接という形を今はとられておりまして、4人ほどということなので、面接時間は、面接の応答の1人当たりの時間というのは十数分ということになってるのかなと思います。また、論述試験は90分ということで、こちらは、公平性のために外部に採点を委託されているということです。 今回、この面接というところに当たって、和歌山県下の全市に問い合わせを行って、調査させていただいたんですけども、ほかの市でも二次試験あるいは三次試験でこの面接と論述試験を課しているところがあります。新宮市のほうは、この面接と論述の配分というのは公表されていないんですけども、他市で公表されてるところだと、面接が4、論述が1ぐらいの比率で、やはり他市でも面接重視でされているのかなという形です。新宮市での割合は公表されてないんですけども、この面接と論述でいくと面接のほうはやはりこの二次試験でも重視されてるという理解をしてるんですけども、その点はよろしいでしょうか。 ◎総務課長(尾崎正幸君)  議員が今おっしゃっていただきましたように、面接試験のほうを重視してやっているのは、そのとおりでございます。 ◆2番(並河哲次君)  わかりました。 今回、調査に当たって、何人か複数名の方に、実際に新宮市役所を受けられた方にインタビューも行ったんですけども、その中で、論述が非常に上位でも面接の点数が低く、下位のほうで落ちているという方もいましたので、やはり、たとえ論述が非常に成績がよくても、面接の結果が悪ければ通らないということで、面接が合否に非常に強くかかわっているのかなという認識をしております。 では、この面接の中身について、これで、今の形で果たしてよいかどうかという観点を持って、質問をさせていただきたいと思います。 まず、面接のやり方と時間なんですけども、今、面接重視という中でされております。一次試験は、ペーパーは半分近い方が通ってきて、その中で面接重視をして採用を決定していくと。そこで、1人当たり、確かに全体50分の時間はとっているんですけども、4名の受験者の方が入られて、面接官の方8名から一人一人質問を受けて答えられると。実際には1人当たりは、なので、50割る4で十数分の時間です。1人当たり十数分という時間で、十分に人が人を評価、十数分の間にできるのだろうかという大きな疑問が湧いたのですが、この点、質問時間十数分、市長は面接重視という新宮市のやり方ですけども、これは十分ですか。 ◎市長(田岡実千年君)  1人に対して大体8人、あと2回以上質問される面接官の方もおられますので、1人に対して10問以上の質問をさせていただいております。直接答えていただくときの話し方でありますとか、態度でありますとか、いろんなことで判断させていただいているわけでありますし、また、答えてないときでも、50分間いろんな形でその人物を見ることができますし、また8人の目でしっかりと評価しておりますので、そういう中でいい人物を見きわめることができているというふうには思っております。 ◆2番(並河哲次君)  十数分で16回ですか、2往復だと、以上の質問をするのでいけるということなんですけども、ちなみに、面接重視の新宮市ということですが、県下の市に全て問い合わせたところ、1人当たりの面接時間は最短です。十数分ということで終わっている市は、もう一つ、御坊市も少なかったですが、それより少ないというところはありません。全てこれ以上の時間を割いています。ちなみに和歌山県という県自体は、特に採用が進んでいる、採用に関しての取り組みが進んでいるという県では決してありません。それでも、県内の全ての市に問い合わせたところ、1人当たり十数分という時間しか与えられていないというところは、ほぼありませんでした。 次にいきます。 この面接の形態、また問い合わせをさせていただいた同じように9市、ほぼ全て個人面接の時間をとっています。1人に対して、面接官がしっかりと割いてやりとりをするという時間をとっています。新宮市の場合は、プロセスの中に集団面接のみしかなく、個別面接がないんですけども、この個別面接がなく、集団面接だけになっているのはなぜでしょうか。 ◎総務課長(尾崎正幸君)  今、並河議員がおっしゃられたとおりに、新宮市におきましては、1回の集団面接で行っているというところでございます。それにつきましては、先ほどお話に出させていただきました採用試験委員の方、市関係、副市長初め4名、あと民間の委員3名ということで、民間の委員につきましても、人事・労務管理を担当されていない方というのは委員には委嘱してございませんでして、経験や知識豊富な方を入れてございます。そういう中で、面接に当たりましても事前に受験者から提出していただいている資料等も示させていただき、また、面接に必要な着眼点もこちらのほうから示させていただいておりますので、その面で現在、この1回の面接で必ずしも十分に見られていないという状況にはないと私どもは考えてございます。 ◆2番(並河哲次君)  十分に見られていないということではないということなんですけども、それはやっぱりどう考えるかというところで、実際に、県内の市でほぼ全て個人面接、個別面接をしています。また、一つだけしていなかったのが岩出市なんですけども、岩出市は、集団面接という形だけではなくて、集団討論という形もまた50分取り入れられていまして、新宮市よりもプロセスとしては多くなっています。ですので、やはりこの面接の形態というところからしても、新宮市は個人をしっかりと見るということが、個人面接を行わずにきめ細かく見れているのか、そして、個人面接であれば、しっかりとその1人の方に面接官が集中してやっていけるということもはっきりとあると思いますので、この点に関しても、本当に面接重視という形で、面接を重く見てやっていると言えるのかなというふうに思います。 ここまでのところで、実際に田岡市長になられてから、一次試験を40%以上の人がここ3年だと通過しており、二次試験で、面接重視で評価するという形になってるんですけども、実際にその面接の中身は集団面接だけであり、また、1人当たりに割り振られる時間は十数分、もちろん事前の資料などのお話も今ありましたが、それは全ての自治体において当たり前に行っていることです。ですので、この面接の方法を見たときに僕が思ったのは、面接重視というよりは、単純に一次試験でたくさん採るようになって、一次の比重が軽くなった。一次試験でたくさん採るようになって、一次の比重が軽くなって、二次試験の十数分というところで何とかそこで、十数分という中で決まっていくということで、二次試験の面接が重視されている。そこは大切にされて、丁寧につくられているというわけでは決してないのかなというふうに思います。 実際に、県内でもさまざま先進的な人事採用の取り組みをされている有田川町のほうでは、一次、二次、三次までありまして、1時間ほどの個人面接の時間が全部でとられることになっています。そして、その有田川町は、ことし既にもう採用は始められて、一次は締め切られているんですけども、一般の事務職の枠で、5人の枠に141人の方が応募されて、その中からこういった丁寧なプロセスが行われていくということです。非常に、この有田川町はもちろんのこと、他市はしっかりと個人面接も行い、また新宮市よりも面接の時間を確保してるわけなんですけども、市長、この個人面接を、市として面接重視というのであれば、しっかりと1人をきめ細かく見るということで取り入れて、また時間もしっかりととっていくということを検討していただけたらなと思うんですけども、よりよい形の採用にしていくためにも、いかがでしょうか。 ◎市長(田岡実千年君)  先ほど申し上げましたように、面接試験においては民間の方々にも入っていただいて、8人の目でしっかり見きわめさせていただいておりますので、私は今の方法で十分人物を見るということは可能だというふうに思ってございます。 ◆2番(並河哲次君)  他市と比べても最短ではありますけれども、十分見れるということであります。僕は十分見れない可能性があるというふうに思っているんですけども、その点、なぜそう思うかというところで先に進んでいきたいと思います。 では次に、この面接、どのように評価するか。参考に、今資料として配らせていただいておりますものをめくっていただいて、「職員採用試験の基準等を公表」というところでの兵庫県三木市の資料があるんですけども、こちらも見ていただきながら、聞いていただければと思います。 面接で人をどう評価するか。先ほど総務課長のほうからも、話し方や態度というところからしっかりと見ていきますということだったと思うんですけども、こちらのそういったところ、話し方や態度というところが面接の評価基準になるのかなと思うんですけども、この資料の後ろのほう、面接試験の評価基準ということで書いてあります。表現力、社会性、積極性、堅実性、態度、総合評定、合計点数というふうに書いてありまして、着眼点というふうに書いてあるんですけども、そしてその中で、また配点という形で点数が割り振られています。これは、この三木市が積極的にこういった評価基準まで公開されているということなんですけども、新宮市はこの評価基準、先ほど評価基準としては、項目としては持っているということだったんですけども、この判定に当たって、このように得点化はされていると思うんですけども、こういうふうに一つ一つ表現力、社会性というような形で評価基準ごとに分けて、得点を集計するということは行っていますでしょうか。 ◎総務課長(尾崎正幸君)  面接試験の得点化についてでございますけども、着眼点ごとに先ほど申し上げさせていただいたように、大きく試験員の皆様にはお示しさせていただいているところでございます。そこで、個別のその着眼点ごとの得点をつけているのかということでございますけれども、これに関しましては事務局から付すことを求めてはいない現状でございます。 ◆2番(並河哲次君)  ということは、新宮市の場合は、この表の部分の下の配点の部分がないんですね。この一つ一つに評価基準、着眼点としては示されているということなんですけども、この区分けされた配点というものはなくて、合計の点数のみで評価されているということです。 市長、この評価基準ごとに点数化しないで、全体の点数をつけるというのは、僕は非常に不思議な感じがするんですけども、どうやってその点数を決めるんだろうかという非常に不思議な感じがするんですけども、なぜこのように評価基準ごとに点数化をしない、ここに書いてあるような形にしないということになっているんでしょうか。 ◎市長(田岡実千年君)  その各面接官の用紙には、各着眼点を区分けしてお示ししておりますので、いろんな項目ごとに個人的には点数をつけられて、最終的に合計点を出していただいてるのかなというふうには思ってございます。 ◆2番(並河哲次君)  これ配点については、個人的につけられて合計するということなんですけども、ちなみに、これも和歌山県下の全市を調査しましたけれども、この評価基準ごとに点数化をしてないという市はありません。こういうふうに分けて、しっかりと点数化するということは、評価基準ごとに点数化して、それを合計するということを、どこの市も当たり前にされています。ここは大きな問題点だと考えています。なぜかというと、評価基準ごとに点数化をしていない新宮市の現状の場合、起こり得ることとして、もし、ある面接官が100点満点のうち、この人は非常にこの点がよかった。表現力がよかった。ここに50点をつけようということができます。そして逆に、態度が悪かった、とにかくあいつは態度が悪かったというところに対して、マイナス50点をつけることができるんです。ですので、そういうことがあると言っているわけではありません。そういったことが可能な仕組みになっているということを言っているんです。要するに、恣意的に点数をつけやすい仕組みになってます。面接官の感情や利害が評価に影響する可能性が全く排除できない。客観的に評価している仕組みだと言えるかというと、非常に怪しいと思います。 ちなみに、新宮市のほうは、この採用というのと非常に似た、人事採用と似たものとして、事業のプロポーザルをされていると思います。これは、僕は非常に採用というものと似通っているかなと思います。入札という、単純にお金の安いだけで決めるわけではなくて、事業者が、市が求める事業に対してしっかりとプレゼンテーションをして、提案をして、それに対して質問を受けて、そして、評価者は評価する。実際に、企画調整課のほうで立地適正化計画の、ちょうど先ほども出てきましたプロポーザルのお話をお聞きしたんですけども、プレゼンテーションを20分から30分していただいて、その後に、提案に対して質問を15分から20分する。なので、合計40分から50分ほどの一つの会社当たりにかけて、評価基準を定めて、項目ごとに項目を分けて採点をして、合計得点の高い低いによって決める。つまり、ちなみにこれは、2年間で約1,800万円ほどの事業です。こういった一つの事業を行って、プロポーザルを行うときには、しっかりと40分、50分の時間をとって、また評価項目ごとに採点をして集計するという形をとっています。 片や、この採用の面接に当たっては、わずか1人当たり十数分という時間の中で、評価基準ごとの点数はつけずに、分けずに、面接官が合計得点をいきなりつける。そして、ちなみに総務課のほうからお聞きしたんですけども、ざっくりと1億円以上、人を採用するということは1億円とざっくりとは言われています。そして、30年あるいはそれ以上の形で働いていただくという前提のもとの採用というのは、プロポーザルに近い意味合いを持つものなのかなと思っています。全くやり方が違いますね。この事業のプロポーザルのほうは、たとえ1,800万円であったとしても、たとえ2年間であったとしても、40分、50分の時間をとり、評価基準ごとに点数化している。しかし、人事採用においては、わずか1人当たり十数分で、かつ評価基準ごとに採点をすることをしていない。何でこんなに違うんでしょうか。 市長、この今のやり方は十分ですかね。こういう市はありませんでしたけれども。 ◎市長(田岡実千年君)  先ほどから申し上げてますように、現場にいる私の感じでは、十分人物を見比べられてると思っておりますし、先ほど議員が恣意的というようなことを言われましたけど、全くちょっと失礼な言い方されてるなと感じました。 これ、大変採用は重要でございます。さっき金額のことも言ってましたけど、いかに市民のために前向きに一生懸命頑張る職員に入っていただくということが一番大切であります。そういう中で、この面接の点数に関しても、試験員も含め、皆さんで最終的に集計した表を見て、最終決定していくわけであります。上から順番に採っていくわけでありますが、決してそういった恣意的な点数をつけてるというものは、これまでかつて見られておりませんので、そのことは、ちょっとそういう認識を持たないでいただきたいと思います。 ◆2番(並河哲次君)  市長、しっかりと聞いていただきたいんですけども、恣意的な結果が見られると言っているわけではありません。それは先ほどそういうように言ったはずです。恣意的なことが入り込む可能性を全く排除できない仕組みになっていると。仕組み上、すごくそれがやりやすい形になっているのがどうかというお話をしているんです。恣意的だという、恣意的な結果になっている、恣意的なことをしているということは言っていません。それが入り込みやすい形になっているのはいかがなものかということを言っています。そこは違います。はっきりと違うので、そこは失礼な言い方はしていないと思っていますので、しっかりとそこは分けて聞いていただきたいと思います。 すみません、議長、あと何分残っていますでしょうか。 ○議長(榎本鉄也君)  22分52秒です。 ◆2番(並河哲次君)  わかりました。 ○議長(榎本鉄也君)  49秒になりました。 ◆2番(並河哲次君)  わかりました。 十分に行えているということなんですけども、やはりこの評価基準ごとに採点できてないということは、大きな客観性を欠き得る問題かなと思います。 そして、またさらにこれだけではなく、新宮市として、特殊な部分が他市と比較した中でありました。それは採点結果、面接官の方の採点の結果を集めるのが、新宮市の場合は数日後なんです。面接をした後の数日後に、その点数を面接官の方から集めるという形をとっています。ちなみに、他市はどういうふうにしているかといいますと、そのとき、その場、当日中という市がほぼ全てです。1市だけどうしても仕事の関係上、翌日になってしまうという場合もあるということだけで、全てその場、もしくは当日中に、面接官の方から点数を回収する。その理由は、結局記憶というものは薄れていく、人の記憶というものは薄れていくものなので、できる限り早くそれは結果を回収したい。そして、公平性、透明性というところを疑われないというためにも、公的な団体として、自治体として、そういったところを疑われないためにも、そこはやっているというふうにお話を聞きました。ですので、またこれは9市の中で新宮市だけが数日後に採点の面接官の方から点数を集めるという形をとっています。この点も恣意的な部分が入り込む余地が非常にある、危険があると思います。これは他市でも実際にそういったところを疑われないためにも早くしている。人の記憶は薄れるものだというところです。 新宮市として、数日後に採点結果を回収するという形をとっているんですけども、これはなぜですか。 ◎総務課長(尾崎正幸君)  これにつきましては、内部の人間だけでなく、3名の民間試験委員にも入っていただいております。それと、1回の面接試験で、40人を超えるような受験者の評価を下すということになってございます。その中で、採点表には記録欄を設けてございますので、それらを見ながら、民間委員の皆様にも十分分析していただき、採点していただきたいということで、3日程度の期間を設けているところでございます。 ◆2番(並河哲次君)  十分に分析していただいて点数をつけていただくと、民間の方もいらっしゃるということなんですけども、その点については、民間の委員をほかにも入れられてる自治体もありますし、そこがあるので、どうしても3日後にせざるを得ないという話ではないかなというのは、はっきりと思います。というのは、実際にほかの自治体の市も同じように面接のプロセスをされていて、面接官の方が採点されていますので、新宮市だけが特別作業量が多いという話ではないと思います。ですので、この点についても、本当に改善を行っていっていただきたい部分です。 ◎総務課長(尾崎正幸君)  議員の御意見、十分拝聴させていただいたわけですけども、採用試験の方法につきましては、今、9市の中で新宮市だけというようなお話もございましたが、各団体によって考え方も異なってございます。ですから、一律にこういう仕方がいいというものもないのではないかと我々考えてございます。その点も十分御理解いただけたらと思ってございます。 ◆2番(並河哲次君)  もちろん、一律がいいという話をしているのではなくて、こちらのほうがいいやり方なのではないかという話の中で、実際に他市はそういうふうにしていますよということです。一律がいいと言っている話ではありません。そこに数日間設けられる、3日間設けられるよりは、やはり記憶が薄れないうちに、早い段階で提出していただいたほうがいいという話です。それで、実際にそういうふうにされている市がほぼ全てですということを言わせていただいています。十分その点についても考えていただきたいと思います。 そして、先ほど市長も恣意的ということはもちろんないし、十分その評価をできていると、質問を投げかける中で評価できているということでした。 では、その点についてお伺いするんですけども、面接官の方に、実際に採用の面接に臨む前に、何か注意点や気をつける点、何か共有されるというのはあるんでしょうか。 ◎総務課長(尾崎正幸君)  先ほど一つ御説明させていただきましたように、面接に際しましての着眼点等は当然のことながら、これは目線合わせということで、文面によって示させていただいております。また、公務員、民間にかかわらず、面接時の注意事項、これが厚生労働省から示されてございます。例えば、採用に当たり必要のない個人の信条など、あるいは、昔は聞いたこともございますけれども、最近では新聞を購読していて、どういう種類の新聞かと、そういうようなものは採用には直接関係ございませんので、そういうものは質問から除いていただきたいということで、情報共有させていただいているところでございます。 ◆2番(並河哲次君)  そういった、僕もちょっと教えていただいて、見させていただいたんですけども、これですね。「公正な採用選考をめざして」という厚労省の資料を踏まえながら、共有していただいているということです。 そういった中で、本当にこれがしっかりと共有されているのだろうかということが、実は受験者の方のインタビューを通じて一つ出てきましたので、質問させていただきます。 この二次面接の質問の中で、結婚して子供を産む気はあるか。何人産むか。そして、その人数を答えたら、それはなぜかというような中身の質問が面接官の方からあって、余りにもびっくりしたのではっきりと覚えていますということで、それは男性、女性、僕が把握しているのは最低男性、女性、1人ずつはそういった質問が投げかけられたということで聞いています。ちなみに、この結婚して子供を産む気はありますか、何人産みますか、なぜその人数なのですかというところは、こういったものは評価基準にはもちろんならないですよね、確認なんですけども。 ◎総務課長(尾崎正幸君)  直接的にそういう質問をすることは不適切だということで、質問はしてございません。私が昨年事務局として司会させていただいて、聞いておる中では、新宮市人口減少をとめるにはどういうことが考えられますかという中で、結婚して子供を産んでいただく。それも人口増になりますねというような話だと思います。直接それを聞いたということではなかったと考えております。 ◆2番(並河哲次君)  直接聞いたことでは、全ての方にもちろん聞かれたわけではないんだと思いますけれども、こういった質問が実際にあったということです。 これは実際に、ここの「公正な採用選考をめざして」という厚労省の文書の中にも、採用選考を行うに当たっては、何よりも「人を人としてみる」人間尊重の精神、すなわち、応募者の基本的人権を尊重することが重要です。そして、2点目として、応募者の適正、能力のみを基準として行うことの2点を基本的な考え方として実施すべきというふうに書かれておりまして、根拠としては、憲法の第14条「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」、第22条「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」というところから、個々の就職に関してこういったことを聞いては、就職に関しての注意点ということでまとめられています。こういった結婚や子供を産むといったところについて、はっきりと就職差別につながるおそれがある事項として、本来自由であるべき事項、思想・信条にかかわることということで記載されております。これは、実際にここに当てはまるかということも念のために厚労省に確認させていただきました。やはり、結婚、子供を産むというような内容については、それがふさわしくない質問であると。そして、たとえそれをここの文章の中には、それを採用基準としていなかったとしても、していないつもりであっても、そういった質問をして把握すれば、結果として、どうしても採用、不採用、採否の決定に影響を与えることとなりますし、またそれらの事項を尋ねられたくない応募者に対して、精神的な圧迫や苦痛を与えたり、そのために本人が面接で実力を発揮できなかったりする場合があり、結果として、その人を排除することにもなりかねないというふうに書いてあります。 はっきりと、実はどの面接官の方からこういう質問を受けたということも聞いております。ですので、そういったことはなかったという先ほど課長からの御答弁でしたけども、それは、そこまで先ほどの課長の説明の質問と、こちらの結婚して子供を産む、産まないという質問とは全く思い違いをしてそれを記憶する。それは捏造するとか、そういった形のものでは決してないと思います。ですので、こういった質問が、そもそもこの注意事項の中ではっきりと不適切であるということがわかります。そして、それももちろんのこと、さきにも述べたように、1人当たりの時間がわずか十数分しか確保されていないという面接時間の中で、結婚して子供を産む気があるかどうか、何人産むかどうか、なぜその人数なのか、そういった不適切な質問によって、またその時間が短くなってしまっているという現状も、結果もあったのではないかというふうに思います。 ここで、どなたがそういう質問をしたかというところまで言うつもりはありませんが、やはり正しい面接ができているのかということを考えると、もちろんそれ以外の部分については問題なかったのかもしれませんが、やはりこの点については非常に問題のある内容となっていたと思います。 こういった質問も出てしまう中で、今、注意点ということで、こういった資料も配って共有もされているということなんですけども、注意点だけでなくて、やはりこういった面接を、人事採用の面接というのは、非常に難しいものでもあると思います。今、特別に人事採用のための研修というのはされてはいないんでしょうか。 ◎総務課長(尾崎正幸君)  特に民間の委員もございますので、民間を含めた研修ということはやってございません。先ほど申しましたように、民間委員も採用・人事・労務管理に携わっておられた方でございますので、その点も踏まえてしてございません。ただ、今後、必要ないかということでございましたら、そうではないと考えてございます。例えば、採用事務担当の者が最新の面接手法でありますとか、注意点、こういうものを吸収して、民間委員を含めた方にフィードバックしていくということは大切であると考えてございますので、研修が必要でないという考え方は持っていないということは述べさせていただきたいと思います。 ◆2番(並河哲次君)  ありがとうございます。 今、総務課長もこれから研修をしていくということも考えられているということですので、ぜひしっかりとした研修を行っていただきたいと思います。 新宮市において、人事評価制度が始まっている中で、人事評価制度については研修を行っているということで聞いています。しかし、同じく人を見るというところではあっても、人事評価制度はふだん仕事を一緒に行っている中での、ふだんから接している中で評価していくというところはあると思います。しかし、人事採用の面接というのは、ふだんは接していない方から話を聞いて、それを評価していくということです。ですので、非常に難易度が高いものになっていると思います。もちろんふだんの人事評価も非常に難しいものだと思いますが、やはりそれと同じぐらい非常に難しいものだと思います。ですので、こちらにおいても、今、尾崎総務課長から御答弁いただきましたように、しっかりと研修を行っていただきたいと思います。 有田川町のほうでは、採用や人材育成を専門とする民間企業や関西学院大学の専門職大学院というところでアドバイスを受けたり、またこういった人事採用について、さまざまに工夫を行っている自治体間でも勉強会を行ったりしているということです。ですので、ぜひ新宮市も仲間入りをして、この人事採用について磨きをかけていただきたいと思います。 この研修を今後検討して、されていくという中で、もちろんその面接官の方々のことはもちろんなんですけども、この人事採用のさっきから述べてきた評価基準ごとに点数をつけていくといったことや面接時間をしっかりと確保していくといったことも、ぜひこれから検討していただきたいと思うんですけども、いかがでしょうか。 ◎総務課長(尾崎正幸君)  並河議員には、いろいろと先進的な事例でありますとか、具体的なものを示していただいて、御意見、御提言をいただいたところでございます。これらの御意見もさることながら、またさらに事務担当といたしまして、新たな情報もアンテナを高くしてとっていきたいと考えております。それらを参考にして、新宮市にとってよりよい試験方法にするべく研究していかなければならないと考えてございます。 ◆2番(並河哲次君)  ありがとうございます。 市長、今、総務課長のほうから、よりよい採用の形について進めていきたいということで御答弁いただいたんですけども、市長もそういった意識を持って取り組んでいただけるということでよろしいでしょうか。 ◎市長(田岡実千年君)  面接官は、民間の方は時々入れかわりますし、また行政も人事異動によって面接官が入れかわったりしますので、そういうところも研修も必要かなというふうに考えます。 ◆2番(並河哲次君)  しっかりと面接官の方の研修というところはもちろんなんですけども、本当に市長が面接重視であるとおっしゃるのであれば、研修はもちろんのこと、その手順、方法についても、改めて再考していただきたいと思います。 では、以上で人事採用についての質問のほうを終わります。 次に、最後の質問に移らせていただきますが、採用のほうで少し言い忘れてしまったんですけども、この人事採用の話なんですけども、そもそもちょうどこの新宮市の本年度の人事という中でいえば、退職のタイミングに当たる部長級の方に、また再任用職員として部長職に留任していただくということも起こっております。これは、新宮市の中で、やはり人材不足が起こったということを示すものとも言えます。こういった現象というものが起こって、本当に留任いただいてお仕事していただくのは本当にありがたいことだと思うんですけれども、やはり市の仕組みとして、市の人材のマネジメントの仕組みとしては、そういったことが起こってしまわないように、採用の段階、そして人材育成の段階から、しっかりとやっていかなければならないと思います。 では、最後三つ目、情報公開は十分か、熊野川における水利権の更新について、短くなってしまうと思いますが、質問させていただきます。 まず、3月3日に、告示されております…… ○議長(榎本鉄也君)  並河議員、90分経過いたしました。 ◆2番(並河哲次君)  わかりました。素早く終わります。 新宮市ダム対策臨時専門委員設置要綱というものが告示されております。これは、私自身、この3月3日に告示されたということは全く知りませんでした。お手元の資料のほうに、1枚目の裏のほうにダム対策臨時専門委員ということで記事があります。これは、二十数年前に池原ダムの水利権の更新が行われたときに、当時の田阪市長が、議会の前に記者会見を行って、ダム対策臨時専門委員をつくったということです。 3月3日に告示されて、公式に告示されていたこの臨時専門委員、私自身、実は全くこのタイミングでできていたということは知らなかったのですが、市長は、これは公表されているということで、告示されているということはダム対策臨時専門委員ができているということ、公表されているということでいいんですよね。 ◎企画調整課長(新谷嘉敏君)  並河議員言われますように、3月3日に設置して、委員の皆様には3月7日で委嘱をしているところでございます。 ◆2番(並河哲次君)  わかりました。 ちなみに、この委員の方の役割なんですけども、実際に中身については、議会の中でやはり聞こえてきますので、5名の先輩議員の方が、これまでの経験に基づいてしっかりとこのダムの対策に当たっていくということで僕は理解しています。そして、それに既に努力していただいているということも理解しています。いろいろと教えていただきたいとそれは思っています。しかし、ここでお聞きしたいのは、やはりこういった方式でできているものが全く、告示されてるとはいえ、知らずに始まっているという形は、これは市長が委嘱するという形をとられてると思いますので、市として、行政として、こういった形でやっていくのはどうでしょうかということでの質問でした。市長、このダム対策の臨時専門委員たちにお願いしている役割というのはどういったものですか。 ◎市長(田岡実千年君)  ダム対策に係る諸問題解決に向けた調査研究、さらには助言をお願いしているところであります。 ◆2番(並河哲次君)  諸問題の研究という部分なんですけども、この二十数年前につくられましたダム対策の臨時専門委員というのは、この電源開発との協力金の交渉に当たるということで集められております。今後、新宮市として、またどういった形でダム対策臨時専門委員たちに、何をお願いして、どうやって進んでいくのかというところは、まだはっきりと見えてきていないところもありますが、1点だけ市長に確認したいことがあります。 二十数年前のときには、この協力金というものを電源開発から受け取る際に、確約書なるものが交わされていたということです。新宮市として、今後もし、何らかの形で電源開発からこういった話があり、協力金はどうするかという話になった場合に、何かこういったようなものを書面で交わしていくのかなと思います。そういった書面で何かを交わすという、行う場合には、ぜひそれよりも前に、交わす前に、議会に対してどういった中身になるのか、どういったものなのかということを公表していただきたいと思うんですけども、いかがでしょうか。 ◎市長(田岡実千年君)  今、お願いしております臨時専門委員と相談させていただきたいと思います。 ◆2番(並河哲次君)  市長にしっかり御認識していただきたいのは、あくまでも、これは市長が委嘱して臨時専門委員となっていただいているということです。全く、確かに議員の方々になっていただいてると思うんですけども、議会ではありません。ですので、もちろん御相談は必要だと思うんですけども、しっかりと情報開示を議会に対して行っていただけるようにお願いしたいと思います。 以上で一般質問を終わります。--------------------------------------- △延会の宣告 ○議長(榎本鉄也君)  お諮りいたします。 本日はこの程度をもって延会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(榎本鉄也君)  御異議なしと認めます。 よって、本日はこれをもって延会とすることに決定いたしました。 あすは午前10時から会議を開きます。 お疲れさまでした。
    △延会 午後4時35分...